鯉白さん、先日の株暴落で80万負けた話もしていた。
特定銘柄にブッ込む、いちばんやっちゃいけない投資。わかっていたのだけどあえての逆張り。
株は損切りしてスパッとやめたが、なおも毎日チャートを見てる。
損切りしたときより上がってほしくなくて。
わかるなあ、このセコイ感情。
今は毎日FXやってるのだそうだ。やはり為替を逆張りして負けてるけど。
9月21日の天下一落語会の決勝に出るので、ぜひいらして投票してくださいという話も。
お客さんが投票するんですが、2枚投票できるんです。
ひとりの演者に2枚、は禁止なんですね。
禁止なんですけど、もし私に2枚投票したお客さんがいましたら、言っていただければごちそうぐらいしますだって。
優勝賞金15万ですよ。私は80万負けたんですよ。そういうことです。
続いて昔昔亭喜太郎さん。
出ていかれたお客さん、戻ってこられたんですか? ああ、お戻りでない。
まあ、いろんなご都合がありますからね。用事思い出したとか。
連雀亭、昼席もありますからよかったらどうぞ。
そのあと、寄席の夜席なんかもいいですよ。おすすめは新宿末広亭の夜席です。
兄弟子の桃之助がトリなんです。
今どき、トリを取るのって大変なんですよ。噺家も多いですから。
トリを一度取ったとしても、裏を返せるか、つまり翌年も同じ時季に入れてもらえるかというと、本当に大変で。
投票してくれとか来てくれとか、今日はお願いが多くてすみません。
アタシも出てますから。今日は出てませんけど(昇さんと交互)。
師匠の桃太郎も出てます。
桃太郎はみなさんご存じですよね?
もしわからなければ、柳家さん喬師匠に顔だけ似てる人です。
師匠は80なんですよ。
同い年が、寿輔師匠と、亡くなりましたけど円丈師匠です。
この3人が同じ年に生まれたってすごいですね。
師匠、お年なので「よろめき」まして、転んで顔切ってしまったそうで。
電話で話したときは、7針縫ったという話でした。
その日兄弟子から電話があって、知ってるか師匠10針縫ったらしいぞと。
次に師匠と電話したら13針に増えてました。
何言ってるのかわからない師匠のモノマネ、まるで似てないが雰囲気はある。
兄弟子の桃之助師は、ここに来て自力でトリを取ったもよう。
真打昇進時に師匠・桃太郎が「喬太郎くんぐらい面白い」なんて浅草お茶の間寄席のインタビューで話していたと記憶する。
もっともオンエアされた高座に感心した覚えはなく。
2023年12月に、MBCラジオCMグランプリの大賞を獲ったのだそうで。落語の賞ではないからなんだかよくわからないが。
ここに来て売り出し中の桃之助師、聴いておきたい気もするが今回は夜席だしムリだ。
そして確かに、来年トリがまた回ってくるかどうかは未知数。
兄弟子のためになんとか客を呼びたい喜太郎さんに感心。
ちなみに喜太郎は、桃之助師が二ツ目時代に名乗っていた。
本編に入る。
いなせな江戸っ子がアニイを訪ねるが留守で、おかみさんと会話する。
町内の若い衆だ。古典落語。
前説でもって古典落語聴きにきた方? とヒアリングしてたが、結局ご本人が日和った。
トリの馬雀さんも新作だし、古典の得意な喜太郎さんが気を遣うのも無理からぬところ。
しかし前回の看板のピン同様、見事な一席であった。
看板のピンは、コントだと思った。この古典のどこが好きで演じてるのかもよく伝わってきた。
いっぽう、町内の若い衆にコント性はまるでない。
古典落語でも屈指の、なにも起きない落語。劇的なシーンもなく。
コントよりも、言ったら漫才だが、しかし実はそんなに面白い会話というわけでもない。
ある種非常に落語らしく、洗練された世界に位置するネタ。
これをどういじるか。
自分のかみさんを珍奇な動物のごとく描くというのもあるが、反作用もありそう。
しかもサゲが、聴きようによっては大変気分の悪いもの。
これが、非常に面白かった。
私が感じたのは、登場人物を大きくいじるのではなくて、語り手をいじるということ。
地のセリフなんてひとつも入っていないけれど、でも語り手が見えた気がするのだ。
演者が標準からちょっとだけはみ出る。このちょっとが、世界の構築に大きくものをいう。
ほんのちょっとはみ出た演者が、その世界の中でもって普通に演じる。そういうことかなと。
こうするとなにがいいか。
アザラシみたいな(仲間のゲンちゃんによる)かみさんが悪いことを言われていても、ちょっとズレた世界の中でのことなので、反作用はないのだ。
亭主が家の前を通り過ぎかけて、寒気で気づくなんていうクスグリ(2回)で、かみさんが怪物に見えるということはないのだった。
そういえば臨月のかみさん、タバコは吸ってなかったはず。
トリの馬雀さんに続きます。