野方グリーンホール寄席の柳家花いち3(上・転失気の失敗について)

木曜日の昼間にちょこっと出掛ける。
野方グリーンホールは柳家花いち師。
亀戸梅屋敷(主任・好楽)とちょっと迷った。
たまたま私自身が、昨秋のこの会の記事を読み返していたところ。そのため花いち師にしたくなる。

この環七沿いのセレモニーホール、いつも高円寺から歩いていたが、今回は都営1日券でもって、バスで新宿から来てみた。バスだと時間は掛かるが野方駅南口バス停からすぐで、非常に楽。

客は4人。
スケジュールがびっしり埋まってる人だが、平日昼間はそんなこともある。

花いち師、メクリを「グリーンホール寄席」にしたまま。
昨秋は最初めくり忘れて仲入り時からめくっていたが、今回は最後までついに変えない。
仲入り休憩時に出入りしていたのでうっかりでもなさそうだ。
メクリ持ってくるの忘れたのかな?
忘れたらそう言いそうな人だけど。

転失気
棚上げ(新作。演題不明)
(仲入り)
井戸の茶碗

前2席は正直やや物足りなかった。
トリは遭遇2度目の井戸茶。パワーアップしたすばらしいものでした。
なので満足です。

もともと夜が空いたので、行ったことない住吉の鈴座(りさ)と掛け持ちするつもりだったのだ。
なので都営1日券を買い。
そして住吉へ徒歩圏内の亀戸と悩んだ次第。
野方で満足したので、結果掛け持ちはやめた。

花いち師、ひっそり登場。
お客さんの自転車置き場がカラだったので、ひとりもいなかったらどうしようと思いました。
今日は4人の精鋭で。
やっぱり皆さん後ろから座りますよね。

二ツ目なりたての頃、ゼロっていうこともありましたよ。
会議室借りたんですけど時間になってもどなたもいらっしゃいません。
利用者数1人で報告書を提出したら、お客さんの数も書いてって言われました。

この人の自虐は、客にマイナスの感情を与えない。
なかなかないこと。
自虐を軽々しくぶつけた結果、「オレのテンション下げやがって」って客を怒らせる人もいないとは限らない。
花いち師には同情を買おうといういやらしさがなく、ただ人に話す価値のある話として語る。
自虐は本当に難しいと思う。

なかの芸能劇場(近い)の会の予告も。
8月9日の独演会は、ゲストが浜松の先輩、瀧川鯉昇師匠です。
これ行きたい。

故郷の母と姉が東京見物に来まして。
母が東京で来たいところがあるというんです。蛇窪神社ってご存じですか。
品川駅に朝着いて、神社に行ったら2時間半待ちでした。もっと待つこともあるそうです。
場内お参りするところがたくさんあるので、小銭が必要だなと思ったんですが、ちゃんと両替機がありました。
私、早速ご利益がありました。ナンバーズが当たったんです。200円買って、200円当たりました。
母に銀座で木村屋のアンパン買いなよって勧めたんですが、アンパンなんかいいって拒否されました。
でも今、朝ドラであんぱんやってるじゃないですか。木村屋のアンパンが映ったらしいんですね。
なんでもっと強く勧めてくれなかったのよと叱られました。
勧める人によるみたいですね。

つながってたかわからないが、転失気。
日曜日に、省略の見事な小痴楽師の転失気を激賞したばかり。さすがにその対極、「転失気とは屁のことじゃ」から臭いや色までたっぷりやってるものは、今の今はちょっと褒めづらい。
サゲは変えていた。「くさい話と思っていた」だっけ。
花いち師の高座は、常にマジにならず冗談めいているのはいい。

一席終えたあとが面白かったのだ。
この噺、二ツ目になりたてのときにやりまして。
医者の先生が盃の入った箱を開けて、「これは見事な転失気で」と言っちゃったんですね。
すごくウケました。でも、謝って降りてきました。

林家やま彦さんが前座のとき、珍念が和尚に転失気を問われ、「転失気とは、おならのことです」と答えていたのには遭遇した。
やはりウケてはいた。喜んでる場合じゃないが。

「余一会」と「お寺主催のバスツアー」のマクラも出ていたのだが、1席めの前だったか後だったか。
師匠と、上の弟子5名のトークコーナーがあった。
優しい師匠は弟子ひとりひとりにプレゼントをくれる。
花いち師がもらったのは、本3冊。すべてスピリチュアルな。

秦野のお寺主催のバスツアーがあり、湯河原へお客さんと行き、落語会もする。
噺家は花いち他、さん花、緑也、前座の枝平。
行きに渋滞にハマり、お客さんヘトヘト。
落語会は誰も笑わない。早くご飯食べたいと。
ちなみに第1回はご飯が先だった。ただ、噺家が飲まされてしまい、べろべろの高座になるので逆にしたのだ。
帰りはジャンケン大会で盛り上がる。
枝平さんの提供したシールをジャンケンで緑也師が獲得し、またジャンケン大会に出して今度は花いち師が獲る。
楽しそうですね。

続きます。