噺家には悪い人はいません、笑点メンバーもですと振って、圓太郎師の修業時代の売れっ子師匠、林家こん平について。
こん平師匠は前座を引き連れて朝まで豪快に飲むことで有名でした。チャラーン。でも、飲み方があるんです。
1時間ぐらい色々喋って、その間ずっと水割りのグラスを手に持ってるんです。
そして、氷が溶けたのを見計らって、水割りを一気に飲み干すんです。みんなそれ見て、おおすごいと。
水割り作るのは前座です。あるとき、氷は入れるんですが、こん平師匠のグラス全部ウイスキーにしておいたんです。
いつものように1時間お喋りして、一気に飲み干します。
ん?と言う顔して、こん平師匠、前座の席を睨みました。まあ、それでも飲み干したんですけど。
こん平師匠が倒れたのは、それからしばらくしてからです。
SNSなんかで、意見をぶつけ合う文化があります。
ある人がある人に意見をし、関係ない人も巻き込んで論争になるという文化はあまり好きではありません。
みんな意見を世間に言いたいんですね。意見は少ない人数相手に言って満足していればいいんですよ。
ホリエモンなんて、他人を罵りまくって、本当はバカなんですよ。
まあ、あいにく東大なんですけど。
あんぱんの話へ。
コメの価格から、ご飯が食べられることの幸せについて進んでいったのだと思う。
あんぱんにも餓死した人の話が出てましたでしょ。
…みなさんあんぱん観てません? 私は毎朝観ています。
以前はよく、朝ドラ録画して、月金をまとめて観てました。
週1回のドラマだと、次の週までイライラすることあるでしょ?
漫画でも、昔だと月刊誌でした。月刊マーガレットとか(客にやや変な空気)。
…私は弓月光先生の大ファンでした。
小さい頃姉が購読してまして。私は姉より早く読みたいんですけども、姉が自分が読み終わるまで読ませてくれないんです。
姉が出かけている時などこっそり読むんですけど、先に開いたのがわかるみたいで。
私こう十字にされて、姉に膝で両腕にのしかかられて折檻されました。
何だか支離滅裂な話の展開だが、本当に支離滅裂だったのだから仕方ない。
でも、やたら面白いのだった。
一応話すことは薄く決めているらしいけども、客の反応次第で用意した話を放棄することも厭わないのがベテランの味。
二ツ目さんだとこうはいかない。用意した話が客に全然伝わっていないのに、用意した以上喋り続けなければ気が済まない人もよく見る。
それじゃマクラの意味がない。
先日亡くなった桂米丸師が、軍隊では偉かったのに(学歴があるから)引き揚げてきたら戦地で下だった二ツ目にお茶を出さなければならなかったので辛かった、という話も出た。
でも戦争にも行ってないはずだし、前座も経験してないはずなので変。
ご本人から聞いた体で語っていたが、別の人のエピソードではなかろうか?
圓太郎師もさすがに話がどこに行くのかわからないので、「穏やかに行きましょうということですよ」とまとめる。
動物の好きな人は穏やかですという話へ。
私も今はやりませんが、乗馬をしたことがあります。乗馬が得意なのは、鈴本の会長と、今年この棕櫚亭に出る柳亭燕路さんです。
燕路さん、馬に言うこときかせるのは得意ですが、弟子には言うこときかせられない人ですね。
かつて噺家仲間で富士山麓にキャンプに出かけ、乗馬をしました。
馬は、人をよく見ます。自分のことを嫌いな人にはそれ相応の扱いをします。
このあと出る小はぜさんの師匠、はん治さんが乗った馬がそうでした。
はん治さんは馬が苦手で、一緒に行った他の人にどうぞどうぞと先譲るんですね。牧場のほうも、いい馬から出していきます。
最後残った馬が癖のあるやつで。これがはん治さん乗せて、わざと木の枝が張り出しているところを通るんですよ。
絶妙に脇に逸れるんですね。
トンネルみたいなところを潜ろうとしたりとか。
結局はん治さん馬から落ち、道を通る車の上に落ちて、富士山麓をぐるぐる回るハメになりました。
わけわからない楽しいマクラがようやく終わる。と言っても、20分もなかったと思う。
なにせネタが豊富で。
そこから入ったのは馬の田楽。昨年拝鈍亭で聴いた。
その際は、師の飼い犬の話や、狆を飼ってるお妾さんの話などから入っていた。噺に入るフリもワンパターンじゃないのだ。
本編に入る前に、今日もマクラだけで埋まっちゃった。
今から本編も半端なので、仲入り後のマクラをひとつ付け加えておく。
この夜、小はぜさんははん治師と話し合いがあるそうで。昇進後の名前について。
なんでも小はぜという名は、大師匠小三治が付けてくれたそうです。
本人は替えなくてもいいと思ってるそうですけど、師匠は替えたいらしいんですね。
なのでどうなるか楽しみですね。
あとはでっち定吉の妄想である。
「小三治」襲名はどうやらなさそうだ。話し合いが軽そうだし。
ただ、立派な名前を付けるなら、「小はん」という名が空いている。はん治の弟子で小はんはいいんじゃないだろうか。
もし名乗ると三代目。
新たに名を作るなら「小半治」などありそうな気がする。もっとも、柳家小半治と言う音曲師はかつていて、Wikipediaに記事まであるけど。

