きく麿駒治二人会 その4(林家きく麿「ブラジル産」)

昨日、「西武新宿線と地下鉄東西線の相互直通本格検討」という最新ニュースが出ていて笑っちゃった。
その前に、JR武蔵野線と西武池袋線との直通検討も上がっていて、鉄道落語「西武家の一族」は今後ますます盛り上がっていきそう。
昨日、「西武線一家」と書いてしまいました。タグは「西武線一族」にしてました。
バラバラです。
それから多摩川線の始発駅を「東小金井」って書いてしまいましたが武蔵境です。
まとめてお詫び申し上げます。

謝ってばかりだとなんなので。
ネタ中に「田無と言いつつ田んぼばっかり」とあった。
田無に田んぼはありません。関東ローム層の武蔵野台地には基本田んぼないです。
野暮ですみません。

駒治師、もう一つマクラ振っていたのを思い出した。
40を超えて、脳内のセリフを気がつくと喋っちゃっていることが多いんだって。
そして駒治師は、「ハナクソほじりセンサー」が発達していて,人がこっそりハナクソほじってるのをすぐ見抜くそうな。汚い話ですみませんと断りつつ。
満員電車の中でハナクソほじって、丸めて飛ばしてる兄ちゃんがいたそうな。
気づくと駒治師、「ハナクソ飛ばさないほうがいいよ」と声を出してしまっている。

このマクラはあんまりウケてなかった。そりゃそうでしょうが。

きく麿師の本編「ブラジル産」に戻ります。
憧れのあの子を思い切ってお祭りに誘うのだが、彼女のほうはもう最初から、男に気があるとかそんなのは一切ない。
ちょっとでもカップル面しようものなら、罵詈雑言を浴びせられる。
彼女は炭水化物ダイエットに励んでいるので、お祭りの楽しみの大部分が食べられない。
チョコバナナも糖質だからダメ。
男は今日は特別なんだから少しぐらいいいじゃない。それに太ってなんかいないし。
しかし彼女には烈火の如く怒鳴られる。太ってるし、誘惑するな。
ようやく見つけたのが「ササミ」のお店。
店主はブラジル人女性。ブラジルのササミ、焼いても煮ても生でも美味しいよ。
…生は食わないほうがいいんじゃないか。
ブラジル人女性の宣伝文句をよく聴くと、「遺伝子組み換え」とか聞こえる。
一年後男が一人でお祭りに行くと、昨年のササミ屋台を見つける。
そしてブラジル人女性と一緒に、昨年の彼女が働いている。えらくササミが気に入ったらしい。
付近のお店はみんなこの女性がやっている。隣のお店で男がチョコバナナを食べようとすると、チョコササミ。

ストーリーを思い出して書いてみたが、ストーリーなんて意味がなくて。
でもストーリーを思い出すと、細かいシチュエーションも一緒に思い出すので楽しい。実際、ストーリー自体は、実によくできている。
きく麿師の落語、大部分こうですがね。現に、この日のトリの演目「漫才やりたい」もそうだ。
好きでもない男について来た彼女、彼女が何に引火するかは「あるある」でもあり、「ないない」でもある。このきわきわの線がたまらない。

ブラジル人女性の宣伝文句、不穏当なワードが多々あるが、全部は説明しない。
これは「珍宝軒」における、北九州弁が微妙にわかって、わからないのから来ているのではないか。

しかしこういう落語の場合、「なんだかわからないが楽しかった」になりそうだ。
この日はきく麿ファンが集まっているのだと思うが、新作まつりなんかで出ると、何も覚えていないなんてことになりかねない。

普通には爆笑新作でも、彼女に片想いの男に多少の情感を加えるものだ。
だがきく麿師は、その誘惑には一切駆られない。
しみじみさせといたらポイントアップ、みたいな側面は否定できないと思うのだが。
ある種潔い。

仲入り休憩後は駒治師から。
二人会の場合は、二人の演者をABBAに配置することが多いが、このABAB方式、私は好きです。
格が違う場合にこうすることが多い気がするが、この日のように格が変わらない場合でもどんどんやっていただきたい。

先ほど東上線が出ましたけど。
ぼくは東上線が大好きで。小さい頃、上板橋にあるおじいちゃん家によく遊びに行ってたんですね。
地元の京王線はちゃんとしてましたが、あの頃の東武の運転手はカッコよかったですよ。
シャツのボタンは3つは開けてます。そしてレバーが二つあるので両手で運転するものなんですけど、だいたい片手です。
そして横レバーが高い位置にあるんですけど、そこにだいたい足かけてます。こうですね。
東向島の東武博物館にはシミュレーターがあります。電車でGo!みたいなものですね。
地元の子供たちがこれで運転してますけど、見るとみんなこう(片手運転足掛け)でしたね。

駒治師のマクラは、同じものを数回聴いても実に楽しい。
小噺として成立しているからでしょう。

師のライフワーク「前駅」の話題。「◯◯前」と言いつつ、◯◯から駅がはるか遠くにあることしばしば。
私の地元は京王ですけど、小田急電鉄も面白いですよねと振る。

本編、やっと聴けて嬉しい「はるかなるよみうりランド」に続きます

 

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