当代三遊亭円楽、芸術協会に客員として入会

Googleポータルに、落語芸術協会の新着情報がダイレクトに表示されて知ったニュース。
珍しく、メディアのニュース経由ではない。
当代、七代目三遊亭円楽、元の王楽師が落語芸術協会に入会するそうで。客員として。

そして、襲名披露も寄席3場でやるそうな。

  • 9月上席夜(新宿)
  • 9月中席夜(浅草)
  • 12月中席昼(池袋)

円楽襲名披露に行きたいなと思いつつ、結局行かなかったので若干得した気分。
12月の池袋昼って、私が隔年で出向いている柳家蝠丸師の席じゃないか。まあいいや。ここに行くかもしれない。
新宿の番組表はもう出てる。
誰かの番組を潰した気配はない。
まったくの想像だが、ここは最初から円楽師のトリだったのではないだろうか。
ゲストとして上がってもらうか、前々からきっと話はあったに違いない客員としての高座にするか色々調整しているうちに、披露目に化けたという見立て。
まあ、盛り上がればいいんじゃないですか。

もともと先代(六代目)、楽太郎の円楽も芸術協会の客員だった。
この人は、円楽党を丸ごと芸協に吸収してもらいたいという希望を持っていた。
芸術協会としても、まとめて来られても困る。なので、妥協としての客員であったのではないかと想像している。
その後、客員のまま、たまにトリも取っていた。
ゆくゆくは正会員になるのではと思っていたが、どうやらその話はもともとなかったみたいだなと思った頃に亡くなった。

現在、鶴光師のように協会W加入というのは国から認められないらしい。鶴光師は古いからいいのだ。
五代目圓楽一門会は任意団体なので、問題ないとは思うのだが。

当代は、先代と芸協入りの経緯がまったく違う。
この人はすでに、新宿末広亭の交互枠を使って、すでにレギュラーメンバーとなっている。
言ったら、すでに客員みたいなもんだった。兼好萬橘の両師もそう。
芸術協会の会員としても、自分たちの仕事場を脅かす人というより、もう少し仲間意識が醸成されていると思われる。
だから当代円楽師については、たとえ客員にならなくても、芸協さんで襲名の披露目があるのではないかと思っていた。
新宿の余一会ではやったが、余一会は芸術協会の定席というわけではなく。

円楽師は実力も優れているし、芸協にとって戦力になる人だから入ってもらったのであろう。
なのに客員とは腑に落ちないところもある。

でもまあ、すんなり正会員になるのも難しいのだ。
円楽党育ちの円楽師、寄席五場で前座を務めていないので。
実際には円楽党、両国でもって月の半分は寄席をやっていた。認めてもいいと思うのだが。
今だったら亀戸梅屋敷もあって、前座はほぼフルに修業ができる。
とはいえ、どこに一線を引くか。
今度真打になった立川幸之進師など、芸協に来て前座を2年も務めている。
円楽師だったら、修業なし(というフィクション)でもって正会員とするのは難しそう。

このまま客員なのであろうか。
そうかもしれない。
前座1年やって正会員という道もありそうだが、芸協さんとしてもそんなことまさかさせられない。
でも、させないとしめしがつかないから正会員にはできない。そんな妥協の産物ではないだろうか。
最近客員としては、笑福亭べ瓶、桂三四郎が入った。
彼らも正会員とはすんなり行かない。鶴光師と同じ「上方真打」という変な枠でもいいのだろうけども。

私は円楽党のファンだけども、かの団体、別に芸術協会に吸収されてもいいと思っている。
最近の芸協、浪曲を充実させたりして、落語協会に対抗したい意識がよく見える。
対抗といっても、別に落語協会と対立しようというわけではない。ここは初心者が理解しづらいところである。
仲良く戦おうというのだ。
その動きからすると、過去の経緯はともかく、円楽党吸収は不自然ではない。
吸収した上で、改めて次の席を芸術協会として運営すればいいわけで。

  • 寄席3場(新宿、浅草、池袋)
  • 国立演芸場寄席
  • お江戸上野広小路亭(15日まで昼)
  • お江戸両国亭(15日まで夜)
  • 亀戸梅屋敷寄席

ただし、円楽師については、近いうちにひとつ変化が生じる可能性がある。
弟子である。
円楽師は、現在は弟子がいない。だがご本人の都合はさておき、志願者は必ずやってくる。
その際、円楽党でなくて弟子を芸術協会の前座にするという可能性はあると思う。鶴光方式。
弟子ができてしまえば、芸術協会としても師匠を真打扱いすることになる。
いささかなし崩し的だが、芸協の円楽党吸収よりもこちらの方が早いかも。

先代円楽は、最後の弟子楽太さん(現・萬次郎)を円楽党で修業させてたけども。
ところで先代の取り仕切ってた全国の落語会、当代が引き継ぐんですかね。

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