夜に出かけられる時に限って、行き先がない。末広亭夜席(きく麿)は考えた。
まあいい、昼出かけよう。
土曜の行き先は、半年ぶりの黒門亭。
| 新・北三国志 | ぐんま |
| ろくろ首 | はん治 |
| (仲入り) | |
| 落語の神様 | 小燕枝 |
| 名人伝 | 文生 |
避けてもいないのに、聴きそうで聴かない顔付け。
トリの桂文生師は、ナマの高座で遭遇したろうか?
息子が小さい時観てた、えほん寄席の「味噌豆」がやたら好きなのだけど。絵は片岡鶴太郎。
配信では何度か。
弟子の前座、枝平さんが、師匠はトシなので高座にはあまり上がってないと話している。
はん治師は、弟子2人、小はぜと小はだがいい。一門会に行こうかと思ったが。
小燕枝師は真打目前に高座でちょっと失望したことがあった。
もう大丈夫でしょう。
いちばん聴いてるのが新作派のぐんまさん。
人数はWつ離れ。そんな用語ありません。
トリの文生師は、ネタ出しは「青菜」だったのだ。
でもマクラだけで時間使っちゃった。
昔の芸人の話で、正直古典落語よりずっと面白かったです。
前座がいない。
いつから前座なしになったのかな。前座不足がこんなところに表れている。
イキのいい前座を聴きたかったが。
いきなりぐんまさん登場。
大勢のお運びでありがとうございます。
黒門亭にしては盛況ですね。普段はこんな雰囲気じゃないんですが。
空調は大丈夫ですか? 今なら温度設定変えられます。
前座がいませんから、私が変えます。
暑いですね。
暑さのせいで亡くなった方がいます。ハルク・ホーガンです。
それから、オジー・オズボーンも亡くなりました。メタルのスターで、悪魔ですね。
悪魔でも、亡くなるんですね。
ハルク・ホーガンは私本当に大好きで、一度会いたいものだとずっと思ってました。
私、皆さんに言いたい。黒門亭に集う皆さんは、もう、プロみたいなもんでしょ。
プロの聴き手じゃないですか。
その皆さんがですね、寄席の紙切りのお題で、「ハルク・ホーガン」とか言わないんですよ。
お囃子さんがせっかく、ハルク・ホーガンの入場曲や、オジー・オズボーンを弾けるよう、練習してるんですよ。なのに出ないんです。
寄席に行ったらお願いしますね。まあ、このお囃子さんだけかもしれませんけど。
亡くなったハルク・ホーガンですが、会う方法がひとつあります。
恐山です。
仕事で青森に行きました。そのときに恐山行ってみたんです。
あ、青森アニさん関係ないですよ。嫌いですから。
嫌いじゃないですけど、私の受けた仕事で行ったんです。
行ってみたら、イメージ全然違ってました。非常にさわやかな場所です。
入山料払うときに、「1人です」と言いましたら受付のおじさんが、「え、ひとり? 2人じゃないの?」なんて私の後ろを見て言ってきます。
いいからそういうの。
恐山でひとつ本当にゾッとするスポットがありました。
故人の生前の服を人形に着せたり、遺品を並べていたりします。
人のにおいのするものは怖いですね。
そこを後にして入口に戻ったら、入る際に「あ、どうぞ」と言ってくれたおじさんがいました。
また挨拶しまして。
そうしたら、観光バスのガイドが声をかけます。バスが発車しますと。
その関係者みたいな顔をしたおじさんも、バスに乗って帰っていきました。なんなんだよ。
そうしたら、私スマホ持ってないことに気づきました。恐山でスマホを失くしました。
ただ、思い当たる場所があるんです。先ほどの遺品を並べた場所です。
行ってみたら、ありました。
ただし、私スマホ床に落としたと思うんですけど、台の上に置かれていました。
遺品と一緒に。
誰かが、気を遣って載せてくれたのかもしれません。
さすがに、遺品扱いされているものを、パッと取って帰れません。
なので、スマホを取って「あー、鳴らしてくださってありがとうございます。スマホありましたよ」と小芝居してその場を後にしました。
私群馬の出身です。
でもお客さんに、ぜひ群馬に来てくださいなんて言えません。
なんにもないところですよ。30まで群馬に住んでいた私が一番知っています。
でも、群馬を愛しています。なので都道府県魅力度ランキングで低い数字を出していたら、頭にきます。
今日やる落語は、YouTubeにも上がってます。
地元の群馬テレビで流してくださったものです。生放送で流してもらって、そしてカットなしでアーカイブとして動画があります。
同じ話をよしもと落語でも収録してもらいました。
ただ、こちらはばっさりカットされてました。大人の事情なんでしょう。
よしもとなのに気を遣いすぎでしょう。裏カジノ上等とか、そんなネタでも出してほしいものですが。
群馬と北関東についての落語です。
私三国志が好きで、それになぞらえました。
三国志のドラマでスリー・キングダムというのがあって、私大好きなんです。
部下が当時の総理大臣に対して情報申し上げるシーンがあり、これが繰り返し使われます。
それを取り込みました。
本編は爆笑でした。
続きます。