神田連雀亭ワンコイン寄席67(上・柳家小もん「長短」)

三連休明けの火曜日だが、お盆なので都営地下鉄の500円ワンデーパスが出ている。
外出ありきだが、ちょっと神田連雀亭にも寄ってみる。
昼の講談きゃたぴらもちょっと気になった。いちか、鯉花、凌天という女流講談師たち。
だがまあ、ワンコインもいいので。
3団体から出ている、連雀亭らしい組み合わせ。
つい先日、遅刻と、粗忽小噺の犬猫間違えをブログで晒してしまった柳家小もんさんも出ている。
なんだかちょっとだけ気が引ける。ちょっとだけだが。

つ離れしている。うぃんさんによると13人。

開演前に、受付にいたうぃんさんが、複数のお客になにやら渡している。
どうやらお釣りの500円玉のようだ。
私が出した500円玉もさっそく使われてるようで。

前説はテンション高いボールドヘッド、桂伸しんさん。
すごい人数ですねと。
千代田区は喫煙できないので喫煙したい方は他の区に行くか喫煙所に行ってください。吸いたい方、このあと一緒に喫煙所行きましょうだって。

長短 小もん
青菜 伸しん
ねずみ うぃん

小もんさんから。
非常ににこやかである。
こんなにいっぱい来てくださって。
いつもこうじゃないですからね。連雀亭も5〜6回来ていただければ、いつもこうじゃないことがわかりますよ。
それでも、そんな日もお客さんいらっしゃるだけいいんですよ。少なくとも聴いていただけますから。
メンバー同士顔を見合わせて、そのまま帰るということもあるわけです。

噺家の楽屋は楽しいですよ。なにかの間違いで入ってきちゃった連中しかいませんから。
だいたいちゃんとしてないんですね。

昨日から浅草では特別企画の住吉踊りが始まりまして。私も一座に加えてもらってます。
初日から大勢さまで賑わってました。
別にひとりずつ、落語の替わりに踊るわけじゃありません。落語は普通にやりまして、最後に踊ります。
ぜひそちらにもお出かけください。着物を来てやる踊りというと、優美なものと思われるかもしれませんが、そんなのじゃありません。
かっぽれです。勢いいいですから。
同じ舞台に20人ぐらい上がったりします。
住吉踊りは古今亭志ん朝という師匠が始めまして。私はお会いしたことないです。
ただ兄弟子が、志ん朝師匠の晩年、前座をしてました。
住吉踊りが終わった際、志ん朝師匠はまず楽屋でビールを1本飲むんですね。
楽屋に引き上げてきた志ん朝師匠、兄弟子に言いつけまして「ビール出して」。
兄弟子が冷蔵庫行きましたら、カラなんです。
兄弟子、とりあえず師匠に申し上げました。「ビールがありません」。
「買ってこい」
楽屋なんてそんなもんです。気の遣えるやつはいません。

住吉踊りには行ったことはないが、小もんさんが高座のおしまいにかっぽれ踊るのは観たことがある。

人の個性を振って、長短。友情の確認が入るさん喬型である。
二ツ目になるとよくやる噺。
チャレンジ意欲の湧く噺なのであろう。どこまで長さんを引っ張って客を離さないかという、わかりやすいテーマがある。
あとは、客の私が思うテーマは、「短さんのほうもちゃんと楽しい人物に描くこと」。
長さんだけ頑張ってもウケない。
この点、小もんさんは最高でした。

割ったまんじゅうのどっちを食うかなんてのは長くはやらなかった。
想像だが、短さんはスローモーな人だが、ムダなノロマではないという解釈だろう。その証拠に、火玉から始まるサゲのくだりは、とっとと始まる。
楽しい一席だったが、軽い軽い噺であって、この効果を活かすのはあとの人。

続いてテンション高い桂伸しんさん。
2年振りだが、前回は「私は誰でしょう」入り。
芸協の二ツ目がやりたがるがほぼしくじる(わたし基準)、「旅行日記」だった。
よくできた噺であるのは間違いない。やりたくなる気持ちはわかるのだが、グロさの解消しないとムリだと思う。

連雀亭、こんなに入るのは久々で緊張しますとのこと。
夏は(頭を見て)涼しいでしょなんて言われますが、暑いです。直接当たりますから。
夏暑くて、冬寒いんです。みなさんも、なったらわかります。
街歩くときは、手拭いを濡らして頭に掛けることがあります。ひんやりして気持ちいいです。
夏はTシャツ1枚ですが、以前は公園の水道でこれを濡らして着たりしていました。
あるとき公園でこれをやっていたら、「おい、新入りか」と訊かれました。それ以来してません。

伸治一門の私の一押し、銀治さんにこのテンション高めのマクラがあれば最強なのにな、なんて思った。
この伸しんさんほど高くなくていいけど。

テンション高い人と言えば、三笑亭夢丸師がいる。
だが夢丸師の高いテンションは、客に聞き流す自由がある。実際にはスルーしたりしないんだけども、自由はある。
伸しんさんみたいな人は、合わなかったら逃げられないであろう。そこは弱点。

テンション高いまま本編、青菜に続きます

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