またしてもNHK新人落語大賞の季節です。
放送は10月25日午後4時半。生放送。今回は大阪だ。
出場者は以下の通り(50音順)。
- 桂九ノ一(上方・2年連続2回目)
- 桂米輝(上方・初出場)
- 春風亭一花(東京・3年連続3回目)
- 春風亭昇羊(東京・2回目)
- 笑福亭笑利(上方・2年連続3回目)
- 立川かしめ(東京・初出場)
何もない状態で客観的予想を出しちゃうと、優勝は新作落語の桂米輝さんですね。
この人はラストチャンスかな?
ラストチャンスだから強いというのではなくて、創作の傾向が大会に向いてるのではないかと。
傾向とは、高い飛躍があるが感度のいい人ならギリギリついていける、とんがりすぎてはいない新作が有利という。
ここ7年で、隔年で4回そんな落語が受賞している。もはや、立派な傾向。
逆に考えると、今年は古典落語の年なのでダメとも言えるが。
新作が有利なのは実によくわかる。
ある演者の高座を評価する際に、噺の創作力を加味するのは当たり前でしょう。
この点古典落語でも、桂二葉さんの天狗刺しなんて、創作力の高さを感じさせるものならいいわけだ。
米輝さんはぶっ飛んだ新作を作り続け、ここにきてマジョリティにアジャストしたのではないかと想像する。
生の高座聴いたこともないし、一時期You Tubeで聴きまくったぐらいで決してよく知ってるという人でもないです。
でも、出場メンバーを横に比較すると、この人が一番アジャストする気がする。
昨年は主観評価と客観評価が一致した一花さんが2位で、かなりずっこけてしまった。
何出すのかな。古典落語でも、やはり飛躍が濃厚な作品がいいと思うのです。
3年連続なので、今度こそ、という評価の後押しはあるでしょう。
もし優勝したら、2027年秋に5人抜きで真打抜擢だと思う。
たまたま年功序列真打がいなそうだし。
なお私は一花さんのファンですが、「◯人抜き」歓迎派ではありません。
でも「優勝したら抜擢」はかなり濃厚と思う。
東京から立川かしめさんの名があって驚いた。
立川流には珍しく神田連雀亭を抜けてしまった人で、私は一度しか遭遇していない。
当時面白いとは思ったけども、大会のメンバーとしては正直賑やかしにしか思えない。
とはいえ何をするのか楽しみではあります。
この人が変わったことをすると、一花さんみたいな本寸法の古典落語が評価されるという因果関係はありそう。
九ノ一さんは一時期笑点特大号の若手大喜利に出てたが、どんどんメンバー替わってもう見なくなった。
昨年のこの大会、点数低かったけども私は好きで。
「天災」で、公開収録の客に「引かないでほしい」と頼んでから暴力をふるうそのさまに非常に惹かれた。
天災なんて現代ではどうやったって難しい。暴力に向かいあってこれを突破しようとする。カッコいい。
まあ、そんなもん最初から出すなと言われたらそうかもしれないが。
笑利さんは過去2回の演目が、看板のピンと天狗裁き。
これでは勝てない気がする。才能ある人なんだと思うのだが。
たまたま喜楽館の配信を見たとき、なんだかやたら怒っていた。
昇羊さんは2年前に、審査員の金原亭馬生師が演目(紙入れ)で判断して落としたということになっている。
紙入れという噺(とやりたがる若手)に思うところがいろいろあるし、そもそもひどい審査とも思わなかったけども。
その後笑点特大号で、高座をもらってたので驚いた。
優勝したとして、年功序列昇進に掛かりかけているため抜擢の目は薄そう。
楽しみですね。