スタジオフォー四の日寄席5 その1(隅田川馬石「狸札」)

スタジオフォーはたまに出向くが、毎月4日の四の日寄席はなんと5年振りだ。
好きな人しか出ない会だというのに、また空いたものである。
正確には一度来たのだけど、14時開演と誤解してて、すごすご引き下がった。
落語協会の席に行くと最近柳家ばかりなので、この古今亭の会で調整しよう。

開演時間が近づいた。食事をしなければ。
立ち食いそばならすぐ食べられる。
喬太郎師がナレーター務めている「ふらっと立ち食いそば」に登場していて、以前から気になっていた「もりしょう」に行ってみた。
おすすめに出ていた冷やしの「薬味そば」というものをいただいたが、絶品でした。
またスタジオフォー来たら寄ることにする。
現金払いなんだけども。
そして、キャッシュレス落語の聖地だったスタジオフォーも、現金払いとなっている。
スタジオフォー、超満員。

狸札 馬石
熊の皮 やまと
紙入れ 文菊
(仲入り)
愛のソフィーナ 駒治
三枚起請 左橋

 

スタジオフォーでは、二回も「ひとり言の多い人」に隣に座られて往生した。
今日もだったよ。
ただ、ひとりごとにも流派があるみたい。同じ人ではなかったと思う。
演者の言ったことを繰り返すタイプの人。
気にしないようにする。

トップバッターは隅田川馬石師。
くねくね、でもないがなんていうのかな、細かく動きながら緩いマクラ。
今年の夏は、暑い暑いと言われてましたが耐えられましたねと。
今日たらちねやろうと思ったんですよ。
そしたらやまとさんが、「先月わたしやりました」ということで。
楽屋になんでか、ネタ帳がないんですよ。ネタ帳と言っても、大学ノートなんですけど。
大学ノート買うお金もないみたいですね。

9月は落語協会でも真打披露があって。
いやね、話すことないんだったら喋らなくていいですけどね。でもトップバッターですしなにかお話したいと思ってね。
興味のない話をただしてしまいました。
落語協会ね、重鎮がたくさんいまして、披露目の口上に並ぶわけです。
私ね、蚊帳の外なんですよ。呼ばれたことないんです。
いえ、出たいんですけどね。せっかくの披露目なんですから、なにかお祝い言いたいじゃないですか。

ただ、国立演芸場では、真打の指名で司会をしたことがあります。
古今亭ぎん志さんですよ。元の名を初音家左吉。左橋師匠の弟子ですよ。
初音家から古今亭になった裏切り者です。
いえね、我々そもそもが金原亭なんです。先代馬生から出てる一門です。
左橋師匠も金原亭です。なのに古今亭だなんてね。
ともかく頼まれたので、その前の池袋の披露目を観にいきました。観にいったって言っても、お金払ってじゃないですよ。
私も一応関係者なので。
口上の様子を録画させてもらいました。いえ、断ってですよ。
司会の玉の輔師匠に断って。なんだかぶつぶつ言ってましたけど。
袖からこうやって(手ぬぐいを畳んで、高座に向けるしぐさ)、録画させていただきました。私のガラケー、録画できるんですよ。
なめてもらっちゃこまりますよ。
まあ、それを観てこんなこと言えばいいんだなと思って、司会やりました。

馬石師は、ここ4年ぐらいで一気にマクラ達人になった人。
何話すか、あまり決めず、ぼんやり決めておいてから高座に上がるのかなと思う。
どこに行くかわからないのでスリリングだ。
たらちねぜひ聴きたかったので少々残念だが、さすがに前回出た噺はできない。
ただ、開口一番なので前座噺という方針は崩さないらしい。

披露目ではめでたい噺をよく出しますね。人が死ぬ噺はだめですね。
泥棒も縁起がいいってされますね。泥棒が縁起いいというのはよくわかりませんけど。
たらちねなんかもいいですね。結婚はめでたいです。あと一目上がりとかいいですね。

狐狸は人を化かす、狐は七化け狸は八化けから、御殿対宮殿。
このウケない、むしろスベリウケに使われる小噺を堂々振る。
ウケないけど、最後に「狐しくじりました」というのがやたらおかしい。
これって、「狸が5点、狐が10点」という小噺だと認識してたけど、狐がしくじったんだから狸が勝ったらしい。

狸はバカにされてますけど、彼らも大変なんですよ。バカじゃやってけませんから。
本当は賢いんです。山の中でぼんやりしてたらすぐ食われちゃいます。
こんな(腹鼓)なんてしてる場合じゃありません。
たぬきへ。
狸札だが、雲助師から聴いた狸賽と共通項があった。
見事に5円札1枚の目方になるのが、サイコロになるのと一緒。師匠に教わったのだろうか。
いっぽうで、先代圓菊っぽいせりふ回しを一瞬感じたのだけども。

落語協会の前座から聴く狸札は、さすがに飽きている。最近は狸鯉へのパラダイムシフトが見られるけども。
しかし馬石師、細かい部分に手を入れていて、めちゃくちゃ面白かった。
このスタイルが若手に伝わってくれれば、まだまだ楽しい噺。

何しろ冒頭、狸主体で描かれる。
恩返しの相手を探しまわっているうちに深夜になってしまったらしい。
狸がようやく家を見つけ、戸を叩くが「もう寝てる」と言われる。
誰だと訊かれたので、「うわーあです」となる。
なるほど、ごにょごにょ言ってるのは名乗りづらかったという解釈。
だから親方が「狸みてえな喋りかただな」と畳かけると、すぐに「たぬきです」とはっきり答える。

長くなるので、明日さらに狸のおかわりを。

ちなみに2,200字を、閉演後40分で書き上げました。

続きます。

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