立川談洲と山崎ケイの結婚

毎日アップ時間が違っていてすみません。
仕事の締め切りが迫っているので、明日はたぶんお休みです。

10月から、ナイツのラジオ新番組を帯で毎日聴いている。金曜は中川家。
このナイツ・ザ・ラジオショーの火曜日パートナー、山崎ケイ(相席スタート)が、噺家と結婚したというので結構驚いた。
相手は立川談洲。談笑門下の二ツ目さん。
談笑師は、入門時に言い含めた上、芽の出ない弟子は早めに廃業させることで知られている。その門下で生き残っているので前途有望である。
私は番町寄席という無料の会で、前座時代に一度だけ聴いた。一度だけでも、知っている人が話題になるというのはなんとはなく嬉しいものだ。
前座離れした「つる」であって、当ブログでもかなり褒めている。
なれそめについては、さっそく今日のラジオでいろいろ語っていた。談洲さんの押しの一手だったようで。

噺家と芸人の結婚というのは、柳亭こみち師と宮田陽・昇の昇さん以来。これは男女が逆。二人とも、高座で子供の話をよくしている。
もっと古く遡れば、女芸人を捕まえた男の噺家は恐らくたくさんいるのだろうが。女義太夫とか。

余談だが、噺家どうしの結婚というのは二組。いずれも落語協会員。

  • 柳家小八×三遊亭粋歌(来春真打に昇進して、弁財亭和泉)
  • 金原亭馬久×春風亭一花

さらに談洲さん、「芸人上がり」の属性も持っている人。これは今回初めて知った。
吉本におけるケイさんの後輩だったのだ。
兄弟子の吉笑、笑二は芸人上がりと知っていたが、談笑師の生き残った3人の二ツ目、すべて芸人上がりだったとは。
笑二さんと同様、談洲さんもNSCである。
元ピン芸人、大江すぐるであり、「エレファンツ」というグループにもいた。どちらも知らない。
ラジオで山崎ケイが語っていたところによると、芸人でも、それほど知らない人も多いらしい。
しかしその程度の芸人、といっては失礼だが、そこから噺家に転身して成功しかかっているのであるから人生は面白い。
パッとしない芸人が転身してきて成功するような甘い世界ではないと思ういっぽう、転身しての成功率は意外と高いようだ。
転職市場における第二新卒みたいなものか。
ただ、これから転身がさらに増えてくると、なんだかなという噺家も出てくるのかもしれないけど。
後は、他の世界を知っているぶん、落語に飽きてしまう人も出てきそうだが。まあ、いろんな人生があります。

芸人から転身して成功しているのは、桂三度、月亭方正が有名。いずれも吉本所属のまま。
NHK新人落語大賞を獲っている三度さんは別格だが、方正さんもラジオで聴く限りではずいぶん達者になっていた。
この後から、転身組がどっと増えてきている。
真打には、転身組はいなかっただろうか。思い出せない。
芸人というか、劇団四季からの転身なら、三遊亭究斗師がそう。

芸人からの転身組の多くは、談洲さんおよびその兄弟子のような二ツ目(上方だとデビュー15年以内がおおむね該当)である。
今日はこういった芸人を取り上げて終わりにします。

ピン芸人末高斗夢としてそこそこ売れ、噺家転身後さらに売れているのが三遊亭とむさん。
この人はいい意味で芸人ぽさを残している。

同じ円楽党の三遊亭鳳月さんも元漫才師。「若月」という兄弟コンビだったらしいがまったく知らない。
鳳月さんは、とても元芸人とは思えない固い高座を務めている。固さが魅力。

とむさんの弟弟子、三遊亭好志朗さんも、もともと「西村」というピン芸人。本名が小松なのになんで西村なんだろう。
なので前座時代は三遊亭西村だった。
二ツ目に成り立てだがすでに47歳。真打になるころには還暦が近いだろう。この人は古典落語が見事だ。

芸協の、笑福亭希光さんも転身組。漫才師から、吉本新喜劇にも出ていたそうで。
やはり回り道なのですでに41歳。芸協カデンツァのメンバー。
すでに受賞歴がある。前橋若手落語家選手権を2018年に獲っている。この人とは巡り合わせがよくて、私はしばしば、見事な高座に遭遇している。
東京で最もよく聴いている上方落語家がこの人である。

同じくカデンツァのメンバー、桂竹千代さんも明治大学在学中から漫才コンビを結成していた。
転身が早かったのでまだ33歳と若い。この人については、芸人上がりという前に、院で学んだ古代史落語が売り物である。
普通の落語も上手いので、いずれ賞レースを賑わすに違いない。

希光さんの弟弟子の笑福亭茶光さんも、松竹で「ヒカリゴケ」というコンビを組んでいたという。ここに名前を出した人の中では売れてるほうだったようだが、名前を聴いたことがあったかどうか。
茶光さんの落語はまだ聴いたことがない。

竹千代さんの弟弟子の笑福亭竹紋さんも「風犬ナンジャ」というコンビ。wikipediaに項目があるので、ローカルではそこそこ売れていたようである。

芸人上がりとして、さらに芸人との結婚により、立川談洲さんがさらにステップアップすることを期待します。

作成者: でっち定吉

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