タモリ俱楽部「前駅」の古今亭駒治

タモリ倶楽部の鉄道企画に、古今亭駒治師匠が出演。
出演を聞きつけ、1日の半分のネタにしたのが先週。

祝・古今亭駒治「タモリ俱楽部」出演

実際にオンエアされたので、改めてネタにさせていただく。
この一週間、世間は撮り鉄議員で盛り上がっておりましたが。

タモリ倶楽部は毎週欠かさず視ている。当ブログでもたまに扱っているのだが、ほぼ演芸絡み。
せっかくこの番組に出たのに、爪痕を残せなかった太神楽芸人に苦言を発したりなどした。
しかし30年来この番組を視ているのに、落語とくっついたことはなかったと思う。
落語とタモリ俱楽部という、私の別個の趣味がくっついて、クラクラする。
我が家の落語好きの中学生は、実際にテツだったりして。
私もテツとは言わないが、駒治師の鉄道落語の大ファンです。

落語と特に関係ない企画なのに、着物で出演する駒治師。そして扇子をパチパチ。
こうした部分で、世間における「落語」というものの扱いが垣間見える気がする。
世間というか、ハウフルスのか。
落語を知らない視聴者は、なにこの人と思ったのでは。立派な真打ですから。
カットされたようで、番組で触れておらず残念なのだが、駒治師、電車の紋が入った紋付を着ていた。
師の高座でこの着物にお目にかかったことはない。もしかして今回あつらえたのか?

駒治師は、前鉄こと「前駅」マニア。「○○前」と付く駅の。
小田急読売ランド前から、よみうりランド正門までの調査をする駒治師。
ハウフルスらしく、ネタに関係するBGMが掛かる。今回は「マイムマイム」。
マイムマイムは「前」に掛けているのがわかるが、「前駅」全体を紹介するときのアフリカっぽい曲はなんだかわからない。
タモリ倶楽部等、ハウフルス制作の番組には必ず、ネタに関係したBGMが掛かるのがお約束。たまに、曲の意味がわかるととても楽しい。
「アド街」や「ケンミンショー」もそう。古くは「チューボーですよ!」などそうでしたね。
駒治師の落語にも「ボケっぱなし」という技法が用いられているが、この効果音もボケっぱなしの一種と言えるか。
無理につなげることはないのですが。

小田急読売ランド駅に立つ駒治師。ちなみに師は意外と長身。
この際のBGMは、白雪姫から「ハイホー」。なんで? 遊園地だから? ディズニー関係じゃないか。
ここから遠い遠いよみうりランドに向かい、山を徒歩で登っていく。
実際にはすでに一度、駒治師はこの駅を調査済であり、番組用に再現しているわけだ。

この駅、駒治師の「はるかなるよみうりランド」という新作落語に登場するだけでなく、実際の落語会の最寄り駅でもある。
駅近くの「棕櫚亭」というスペースで、落語協会の噺家を呼んで「生田寄席」をたまに開催している。棕櫚は「しゅろ」。
6月には入船亭扇辰師の会があって電話したのだが、まん防で中止になっていた。緊急事態宣言下でも普通に寄席が開催されていることを思うと、隔世の感を禁じ得ない。
再来月11月10日には橘家圓太郎師が出るそうなので、改めて行ってみようか。棕櫚亭の公式で間違って「橘屋」と書かれているのはいただけませんが。
まあ、三遊亭圓朝の父である初代圓太郎は橘屋なので、目くじらは立てますまい。
生田寄席に駒治師が呼ばれて、「はるかなるよみうりランド」を掛けてもいいわけだ。

私はこの小さな駅、仕事で降りたことがある。
番組では触れていないが、2Km以上あるからといって、実際によみうりランドのお客が歩くわけじゃない。ちゃんと路線バスが出ている。

よみうりランドに向けて、数少ない最後のお店(パン屋)の前でもって駒治師、「食料を持ってない方はここで買っておかないと飢え死にする可能性があります」。
師の落語の口調であり、なんだか嬉しくなりました。

到着後、要した距離と時間を、直ちに記録する駒治師。
この際のBGMは、ルロイ・アンダーソンのシンコペーテッド・クロック。わりと普通。

スタジオに戻り、扇子をパチパチさせながら「前駅」について語る駒治師。
天下のタモさんの前でも、駒治師はさすが堂々としている。与えられた役割をしっかり果たすのだった。

一時期の最長駅名でもあった「ルイス.C.ティファニー庭園美術館前」駅の話題で盛り上がるスタジオ。
駒治師が「こんなに盛り上がるとは」と語っていたのに、ばっさり編集されたようで。仕方ないけど残念。
ちなみにすでにないルイス・C・ティファニー庭園美術館は、閉演前にすったもんだがあった。
閉める前の美術館公式サイトに、中の人の恨みつらみが、破綻した文法でもって書き連ねられていたのを思い出す。
取っておけばネタになったのに。

駒治師のネタで丸1日の記事、書けるかどうか不安だったのですが、余談も盛り込んでなんとかできました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

柳家小ゑん千一夜VOL.5
価格:2094円(税込、送料別) (2021/9/25時点)

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada 落語関係の仕事もお受けします。