浅草・落語協会真打披露 その1(浅草は今日も平和だった)

本日、火曜の昼にどこかへ行こうと考えた。候補は3つ。

  • 亀戸梅屋敷寄席(主任・三遊亭好楽)
  • 神田連雀亭ワンコイン寄席(あお馬、馬久、兼太郎)
  • 浅草演芸ホール(真打昇進披露・柳家花いち)

悩み抜いて浅草の披露目へ。
亀戸も連雀亭もちょっと行き過ぎているので、ハコを替えたい。
今回の秋の落語協会新真打は、4人全員気になるのだが、まずは最も好きな花いち師に駆け付けなければ。
すでに3場目。ぼやぼやしていると終わってしまう。
浅草昼席は、あまり座り心地のよくない座席での5時間耐久。

私のまったく知らないうちに、浅草演芸ホールにキャッシュレスが導入されている、なんてサプライズはやっぱりなく、いつものように現金払い。
昨年来たときには見かけなかった、看板猫のジロリがテケツにいる。
ジロリの手をよけて東京かわら版を出したが、特別興行だから割引不可だった。まあ、これは当たり前のことだったな。
「持ってきてもらったのにごめんなさい。ただうちの寄席は、古いかわら版でも割引しますから」と言ってもらった。昨年もこう言われたっけ。
読売新聞以外のヘビーファン(そんな人、いるのかしら)は、古いかわら版を活用するといいですよ。

3,500円。高いな。5時間分だと思えばいいのだが。
そういえば、上の東洋館はおぼんこぼん人気で満員らしい。
演芸ホールのほうも入りは悪くない。
緊急事態宣言も開け、どこでも座っていい状態。

私は浅草へはめったに来ない。昨年の芸協の席(アロハマンダラーズ)に、4年ぶりに来て以来。
落語協会の浅草となると、いったいいつ以来だろう。10年来てないかもしれない。

今日は千葉テレビの収録が入っていた。
なんだ、損したなと思う私。しかし、この程度で損したと思うこと自体業が深すぎる。反省しよう。
浅草は収録が入ろうがなんだろうが、相変わらず。
トリの花いちさんの高座の最中、わざわざ通路側の人を立たせて帰る、ババアみたいなジジイがいたり。
収録だと断っている花緑師の高座の最中、携帯が鳴ったり。
トリ以外でも、高座の最中席を立つ客はもう、珍しくもない。
あと、びっくりしたのだが開演中、頭の上からアルコールのシャワーが降ってきた。どういうこと?
客の誰かが噴霧したのが流れてきたらしいのだが。意味がまるでわからない。

演目も、花いちさんの新作はともかく、基本の噺ばかりだ。
末広亭だったら、同じ状況でも別に気にはならない。むしろ「落語の基本が詰まっている」と思う。
こういうところを乗り越えられない人が、寄席を離れ落語会中心のファンになる。乗り越える必要があるかどうかは知らない。
やっぱり、いろいろ行っても寄席は池袋がいいなと思う。池袋の披露目は次の下席だが、これもまた3,500円。

11時40分開演なので、前座の時間を考えて早めに来たが、本当に40分に始まった。前からそうだったっけ?
なんだか、完全アウェイである。
5時間耐久については、2種類の座り方を使い分けてセーフ。
親切なことに、いつものプログラム以外に本日限定の紙が入っている。親切になったもんだ。
柳家小ゑん師の「恨みの碓氷峠」でも、浅草がプログラムを刷り直さないことが重要なネタになっているのに。
もっとも、本プログラムのほうはずいぶん簡素化されたもんだ。

 

味噌豆 ぽん平
からぬけ 花ごめ
釜どろ わさび
にゃん子・金魚
壺算 三朝
松山鏡 歌笑
夢葉
ぞろぞろ 志ん陽
笑点漫談 三平
(換気仲入り)
小猫
親子酒 花緑
紙入れ 玉の輔
翁家社中
男の井戸端会議 馬風
高砂や 市馬
(仲入り)
口上 口上
ロケット団
新聞記事 正蔵
代書 権太楼
橘之助
寿限無くん 花いち

 

前座は夏の鈴本で見かけたぽん平さん。正蔵師の次男。
前回は極めて凡庸な高座だったが、これでいいのだと思った。
その見解を見事に証明してくれている。急速に上手くなっていて驚いた。実に自然な高座。
前座はとにかく大きな声を出すことからすべて始まるのだな。技術はそれから乗っければいい。
この芝居は出演者が多く、前座の持ち時間が短いらしい。小噺の「味噌豆」。
ぽん平さんは、この後ずっと高座返し。

二ツ目枠は、笛吹きの交互出演。
柳家花ごめさん。本日の主役、花いちさんの妹弟子。披露目の番頭を務めているそうで。
順番が回ってきたので番頭を務めているが、別にしっかりしているわけではないですという自分の話から、馬鹿兄弟の小噺へ。
ちょっと寝てしまったら、「からぬけ」に入っていて、サゲで目が覚めた。

明日から更新時刻を徐々に戻します。続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. すいません。先日名前忘れた、貞吉です。今週浅草へ「白鳥」師、見に行きます

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