2022年正月のTV落語、そして三平

林家三平という人の、なにがダメなのかを3日間に渡って書き記した。
なかなか好評でした。
ちょっと燃え尽きてしまったので今日は漫然と進めます。
早起きして書いているのだが、午前7時の更新に間に合いませんでした。

昨日もちょっと書いたが、三平師、ナイツのラジオに出ていた。
降板理由を語る中で、「息子」を出していた。ヘタクソの息子と呼ばれちゃかわいそうだと。
なんだかな。
ドランクドラゴン鈴木拓のエピソードを思い出す。

ドランク鈴木 “炎上やめて”懇願する息子を納得させた言葉

鈴木がバラエティで炎上するたび、子供が学校でからかわれる。息子は、父ちゃんなんであんなことするんだと不満気味。
リンクを張った記事中では笑いにしてオチを付けている鈴木だが、かつて別の、もっと真剣な内容を読んだ覚えがある。
炎上芸人鈴木拓は、番組における父ちゃんの役割について息子にこんこんと言い聞かせたのだと。

息子をダシに、降板を正当化する三平は情けない。
ちなみに、兄貴の息子がふたり噺家になったので、三平としては息子を噺家にしようとは思わないのだと。まあ、それだけは賢明だろうけど。

さて本題。
毎年、正月のテレビに出ている落語演芸についていろいろ書いている。
今年はそんなにちゃんと見てない。ラジオのほうも、特番があったかどうかも知らないままだ。
落語研究会の特番は、ひとつ残らず録画済みの様子なので、最初から保存していないし。

新メンバー宮治が発表された元旦の笑点、振袖大喜利とか東西大喜利という例年の企画を、三平抜きの5組で平然とやってるところがすごかった。
東西大喜利で、相手チームに悪態をつくネタでの小遊三師がたまらなかった。
「おい文枝、さん」と大工調べの与太郎。最後に、「こんなに立派になっておめでとうございます」。
笑点、落語のネタをブッコんでおいて、しかし一般の笑点ファンがわかるような解説を入れないということをたまにしている。
落語好きの私、とても嬉しくなることがある。

2日のテレ東で、「LISAの旦那」をいじったナイツが炎上という記事が出ていた。声優のファンかららしい。
録画していたので後で観てみたが、正月からなかなかアナーキーな漫才ではあるものの、炎上は意味がわからぬ。
昨今、誰かが傷つくお笑いには気を付けるべき。これまでは社会の共通認識である。
だが、2021年に不倫したタレントを並べた中に「LISAの旦那」を入れたことで立腹する人への配慮など、物理的にできるわけもなく。
狭い領域の不満は、外の世界の人からはとても異様に見えたようだ。「LISAの旦那」という呼び方も気に入らなかったようで。
まあ、広い世界に共感を呼ばないまま炎上するはずもなく。沈静化以前のレベル。

無観客なのに笑いを被せていたのは違和感。

3日のNHKの東西笑いの殿堂は、昨年がグダグダ。今年は反省したのか、だいぶまともな構成。
なぜか三平が浅草からの中継に入る。やはり圧が強い男。
幸い、高座はなし。それはそうと、演芸ホールに切り替わる際のMCを務めるわけでもないという。
ムリに押し込んだみたい。
そういえば、2日のテレ東にいつも三平出ていたな。今年はいなかった。

浅草の高座は、紋之助、あずみ、白酒。
白酒師は、正月らしく「ざるや」。毒抜き。

芸協(末広亭)のほうは、昨年は落語がなくてびっくりしたが、もともと偉いさんたちが一席やっていた枠。
これを今年は柳亭小痴楽師が務めた。芸協の方針も見上げたものだ。
昇太会長の意向も働いているのだろうと思う。宮治師でないところが、バランスなのだろう。
その、末広亭から中継の小痴楽師「一目上がり」はとてもよかった。
私のブログにも検索したらしい訪問がありました。めでたい噺だから初席では始終やってるはずで、テレビ経由かどうかはわからないが。

色物さんは、京太ゆめ子とぴろきの各先生。
芸協の色物も若返っているのだが、京太ゆめ子先生だけは今でもバリバリ寄席に呼ばれている。緩くていいよなあ。

NHK新人落語大賞優勝者の桂二葉さんはスタジオから「つる」。
いい高座だが「甚兵衛さんがウソをついているのを知っている喜六」という点だけは好きじゃない。米朝も嫌った枝雀型である。
優勝後の会見で「ジジイども、見たか」と言ったのが報道されていたが、自分で再度その話題を振る根性はすごい。
早速また報道されていた。

桂吉弥師は、「おなじはなし寄席」のトークでもって、「試し酒」を入船亭扇遊師から教わった話をしていた。
それが出てきた。
普通には大ネタなのだが、わりとめでたいムードの噺だし、正月の短い時間にまとめ上げるのもいいものだ。

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. 三平師は浅草初席3部、浅草下席昼の部しか1月~2月の定席は無いようです。
    わきの仕事も笑点メンバーと一緒の地方ぐらい?出直しする為にもがむしゃらに高座に上がる機会を見つけてほしいですね。
    一方の宮治師はすぐに売れっ子になりそうですが。

    1. まるかんさん、いらっしゃいませ。

      ラジオで語っていたところによるともともと落語に専念する気はないそうなので、いいのではないでしょうか。
      クラシックの番組に出て、やかん振りを発揮したそうですが。

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