三遊亭円楽、三平へパワハラ発動

また三平か!
もう飽きました? すみませんね。ただ追加燃料が投入されたもので。
でも今日は角度が180度違うのだ。

結構大変なことになる予感がする。
通常毎日午前7時にアップなのだが、日付が変わると同時に出してしまいます。

3日間の続きものに加え、昨日も私は三平師匠の批判記事を書いた。
ところで最初に強く断っておきたいことがあって、私は三平のスタイルを上から批判しているつもりは毛頭ないのだ。
当ブログも様々な人を批判してきた。だがもともと、私は功成り遂げた立派な人間でもなんでもないし、それについての自覚も十二分にある。
上から批判できる相手など、寄席で不規則発言してる客や、廃業間近の雲水ぐらいだ。
三平スタイルの暴力性も、あくまでも、それを浴びせられる側の拒否反応として書いているのである。

ヤフコメあたりで、本当に上からやってくる批判意見があると、むしろ「何様だ!」と思うほうだ。
その感性は、パワハラに反応するため大事だと思っている。
前提おわり。

ナイツのちゃきちゃき大放送に、三遊亭円楽師が出ていた。
師のことを、業界を取り仕切るプロデューサーとしては大変尊敬している。本業のほうはそれほどでもないけど。
落語はともかく、ラジオのゲストではとても話が軽妙で、楽しい人。

参考記事:円楽と志らく(ニッポン放送ラジオから)

今回も軽妙は軽妙だった。だが、軽妙に人をひとり殺して去っていった。
外出したので、円楽師が出る二部は聴いていなかった。家に帰ってから聴こうと思っていたら、先にネットにその記事が出た。
このところずっと三平情報は速報されているからこれは当然。

三遊亭円楽「びっくりした」 三平「笑点」大喜利卒業に驚きも「聞く耳もたなかった部分も確かにある」

三平は、円楽師のアドバイスをまったく聞かなかったのだと。
ラジオで語ったのは、つまり三平への絶縁宣言である。
見込みがなく信頼関係もない以上、三平との二人会も今後やらないし、博多や札幌のらくご祭りにも絶対に呼ばない、そういうことだろう。
そして、その態度を笑点プロデューサーに見せつけることで、「三平が帰ってきた」的な臨時の企画ものの芽まで潰すことを企む。
もしかすると、林家九蔵事件あたりのこともあり、ずっと海老名家に立腹し続けていた可能性もある。当事者の好楽師よりも深く。
師は東京の(可能性としては大阪も)落語界を統一したいとかねてより願っており、海老名の横車はそれを阻害するものだったから。

世間(ヤフコメ)は早速、円楽よく言った、三平はどうしようもないクソ野郎だ、会社にもそういうのいるよね。そんな大合唱。
でも明白にパワハラだ。残念。同調の世間もみなパワハラ加担。
公共の電波で死刑判決だもの。
一応成功場所を有している志らくに言うのとは、状況がまるで違うのだ。

世間の人に強く言いたいのは、パワハラは構図の問題。許されるものと許されないものの区別なんて存在しないですよ。
反論できない状況の人間をとことん追い詰めるのは、パワハラ。すなわち悪である。
相手方の過去のふるまいによって、悪が善に変わったりはしない。
勝手に、円楽師の愛情を汲み取る人もいるかもしれないが、それはDV男の言う愛情と同種のものに過ぎない。
でっち定吉はなんだ、4日間も三平の批判してたくせに、手のひら返すのかって? 違うよ。
今日はあくまでも、円楽師のパワハラを糾弾しているのだ。これは三平への批判や好き嫌いと、全然違う次元の話。
カジサックが嫌いでも、上沼恵美子を批判できるのと同じである。

私もサラリーマン時代不得手な分野で「言う通りにしない」なんてしょっちゅう言われていたなあと振り返る。
これは「相手を正しく導いてやろう」という理由による発言か。フィクションとしては、だいたいそういうことになっている。
実際はこういう人間は相手を批判したいし、マウンティングするのが好きなのである。
三平を取り巻く一連の報道の中で、彼のプライドの高さを指摘した記事はいくつか目にしたので、円楽師の発言、腑に落ちるところもある。
だが、だが。
三平本人もあらゆる状況を考えて、「このままでいいんだ。わからない世間が間違っているだけで、今に俺の時代が来るんだ」なんて思っていたはずはないではないか。
言う通りにできなかったのは、プライドの問題より圧倒的に能力の問題だろう。
能力が足りなかったのは、今さら言っても仕方のないこと。
だが、能力の足りなさを、態度にすり替えたうえで攻撃するというのは、ひどいパワハラの正当化だなと。
そもそもあなたは三平の師匠じゃないのだ。アドバイスが権利に映ったら、それもまたフィクション。
相手が拒否していればそれまで。
わかりやすい言葉では、これをいじめと言う。

ちなみに志らくは、どう見ても自分が言える状況にないのに、フライング気味に今回と同じような発言をスラっとする人。
当然ツッコミを受ける。そしてツイッターで逆ギレするというのが一連のお約束。
円楽師の場合いやらしいのは、完全に反論できない状況にあることを入念に確かめてからタコ殴りに出ること。
志らくよりは当然賢いのだが、でもいやらしすぎる。

実は単に、三平がナイツのラジオ(ニッポン放送)で円楽師が冷たかったとチクッと刺していったのを、許せないと感じたのかもしれない。
そうだとしても、権力を背景にしたひどいパワハラの正当化はちょっとムリだ。

そもそもアドバイスにかこつけて、5年半ネチネチと三平をいじめてたんだろう。そう確信した。
いじめはしばしば、正義の殻を被って行われる。
実は三平、それに耐えられなくなって逃げだしたのかもしれない。そうなら同情する。
そもそも常時いじめられている人間が、アドバイスなんか聞けるか!?
世間の人、パワハラしてくる人、マウンティングしてくる人のアドバイス聞きますか!?
私は三平じゃないから知ったことじゃないって?
わお。

現代社会は、ダメだなと思った人は放っておくのが正解の時代なのだ。昇太師や、それから兄弟子のたい平師は、きっと自覚的にこうして見捨てている。
俺の言う通りにしないからこうなるなんてのは、パワハラの権化。円楽師が笑点で薄っぺらく批判する、与党政治家と同じやり方。
たぶん今日から、私と同じようなこと書いているコラム記事が随時上がると思う。ハラスメントの専門家から。
ヤフコメで喝采を送っている人は、専門家の記事を読んで、ぜひ反省して欲しいものだ。
それとも、ただの左翼連中だろと鼻で笑うかな。
好きな人が言うことなら全部是認するなんて、現代社会の常識ではない。

今回はちょっと三平師匠、怒ってもいいんじゃないですかね。人として。
まあ、今回のパワハラを機に円楽師が降板に追い込まれていく(病気を理由に)ことも十分考えられる。コンプライアンスの時代だもの。
そして、日テレの社長が釈明させられることもありそう。三平が自ら降板したという、みんながフィクションだと知ってるものを露骨にひっくり返したことでもあり。
そう思うと戦略として、我慢もありかもしれないが。

しかしなあ。円楽師は、弟子を持つ師匠としてはなかなか立派な人だ。何度も書いているが志らくよりはるかに。
その一端に、円楽党好きの私も触れている。
その師匠がこれだけ露骨なパワハラをして、実に残念。実に無念。
円楽師は先代が厳しすぎたのを自分の代で修正したのだという。それを私も深く心に留めていたのだが。
でも、先代よりも、人間的に意外と小さいなと。円楽師自身がラジオでも先代の厳しさを語っていたが。
昨年亀戸に行ったら札止めで師の高座は聴けなかった。でも、もういいや。この人の高座はたぶん一生聴かない。

そして今回のパワハラは、ラジオ降板騒動の伊集院光をほうふつとさせる。
パワハラの要素は確実に弟子に引き継がれていたのだ。なんだかたまらないね。

ネットで読んだだけでなく、ラジオは帰宅後改めてちゃんと聴いた。
三平のくだり、ナイツ塙が、これ以上はまずいと思ったのか、話を先代、それから宮治に切り替えていた。
だが宮治にかこつけ、これから学べるかどうかが重要だとさらに語る円楽師。ネットニュースには引用されていないが、さらなる三平いじめ。
聴く前に、今日の記事は勢いでほぼ書き上げていたのだが、内容を修正するには至らなかった。
番組中でも自分で自慢しているのだが、前座の頃から「できる人」なので、できない人が気に入らないのだろう。
それも現代ではまた、パワハラをなす。
ところで、できる人だったって言っても、落語のウデが圓生、志ん朝、談志レベルだったのならいいけど。
先日浅草お茶の間寄席で出していた「ずっこけ」は、円楽師のイヤミな感じがそのまま出ていて、これは本当によくないなと思ったものだ。
全然高いところに到達してないじゃないか。その程度の実力でこの暴虐、実にもってよくない。

二日分の分量を書いてしまった。明日は休むと思います。

続編:円楽パワハラを再び考える

 
 

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. 春風亭昇也さんが独演会でのまくらで、
    「笑点惜しかったですね」とお客様に言われるんですが、全然惜しくはありません。
    私的には今回の三平師匠降板はイレギュラーな事で、落語家人生の設計には入ってないんで。
    私が笑点メンバーに入るのは2~3年後に黄色か紫の代りになる予定です(笑)
    と仰ってましたが、もしかしたら早まるかもしれませんねw

    1. どうでしょうかね・・・
      記事をアップして丸一日半、世間に円楽糾弾の声がまったく湧いてこないので。
      日本テレビのコンプライアンスがまっとうに機能することを望みますが、案外「がんと闘う落語家」としてこのまま引っ張るのかもという気もしてきました。

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