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4月30日は神田連雀亭で楽しんだのだが、月が変わった翌日も出かけてしまった。
5月1日は雑司ヶ谷・拝鈍亭で、柳亭こみち師と宮田陽・昇の会。昨年も行きたかった会だ。
こみち師のご主人が、ツッコミの昇さんである。
同じ日のお昼には、用賀の眞福寺で、柳家権之助師とこみち師の落語会があった。こみち師、実に面白いことにお寺の掛け持ち。
権之助師がやってる用賀のほうは年末に出向いた。その際も、拝鈍亭と同じ日だった用賀に、選んで行ったのだった。
今回どちらにしようか、漫才も観たいからハシゴしようかとか悩んだのだが、家族の意見で夜のほうへ。
夫婦共演の会なんて浮わついてて面白いじゃないか。
こんなのは、連雀亭で馬久・一花夫婦の競演に出かけて以来。
こみち師、そんなに数聴いてるわけじゃない。
寄席でも2019年以来だ。
隆盛を極める女流落語家の中でも、とりわけ好きな人ではありますが。
終日雨が降っていて出かけるのにいい日ではないが、私はあまり頓着しないほうである。
池袋からぶらぶら、雨の雑司が谷霊園を散歩し、夏目漱石の墓まで見た。雑司が谷はいいところ。
拝鈍亭、人数は30人ぐらいか。
ほっとけない娘 | こみち |
宮田陽・昇 | |
(仲入り) | |
船弁慶 | こみち |
ご住職の挨拶が済むと、こみち師登場。
つい先ほどまで、袴姿でロビーにいたと思ったら、女着物に着替えているではないか。
今日はお若い人までお越しいただきありがとうございます。
浅草演芸ホール休んできました。断然こちらのお客さまがいいですからね。
私はこのホール呼んでいただくのは10回ぐらいです。最近は、6年ぐらい夫婦で呼んでもらっています。
次に出てくる宮田陽・昇さんのどちらかが私の夫です。ゴリラみたいなほうです。
ゴリラなのに、私の髪型についてそれでいいのなんて口出すんですよ。
普段夫が出かけるのを見てますけど、一緒に仕事することなんて年一度この会しかないもので、どこに行ってるのかわからないんですよ。
こういう会のおかげで、ああ漫才師なんだなということがわかります。
もう噺家20年やってます。
入ったとき、落語協会の女流の先輩は5人でした。ひとり辞めて、私が5人目になりました。
でも今、後輩の女流は先輩の倍の数がいますよ。
ひとり辞めた人というのは、こん平門下の林家ひらりという人のことだ。たまに笑点なつかし版で、アシスタントとして見切れている。
ちなみに私、地域寄席でもって、前座のこみちさんを聴いた覚えがあるのだ。
女流特集ということで、トリが歌る多師、二ツ目がそのひらりさんだった。
こみちさんは、堂々と「やかん」を演じていた覚えがある。「少し間違えたけど続けます」と、強心臓を見せつけていた。
女性の社会進出は嬉しいが、「アニメ声の駅員」は違うんじゃないか。
それからママ友に「落語家さんですってね」と声を掛けられるが、だいたいピントがずれているマクラなどいろいろ振って、「鎌倉殿の13人」の話に。
私は、頼朝、義経・・・以上、これしかわからないんですね。なので多くの登場人物が出てくるんですが、誰が誰だかわからない。
できればテロップを毎回出して欲しいです。
でも、世間には歴女なんてひともいますから。「私、義経がタイプ」。会ったことあるのかよ。
「趣味」をキーワードにして、四谷の坊主バーの話。
このマクラまで来ると、これは「ほっとけない娘」だとわかる。
柳家小ゑん師が新作台本募集作品から練り上げた噺。
こみち師が教わって持っているとは知らなかったが、新作も色々(ナースコールとか)やる人だから不思議はない。
ちなみに「ほっとけない娘」で検索掛けたら、当ブログが1位でした。
小ゑん師のCDが出ている演目なのに、それらを超えて1位に来たのでちょっと感激です。
小ゑん師のものでは、仏像オタク娘の名は「さゆり」だが、こみち師は「ゆりこ」に替えていた。
大仏そっくりの男の名は「寺出悟」で同じ。
「よりどりみどり海老名みどりよ」なんてクスグリも入れ、客の若いカップルを指し「あちらにはわからないけど」。
何度も聴いてる噺なので、こみち師の間違いがちょっと気になった。
× 和辻哲三
○ 和辻哲郎
× 君のひとみは100万ボルト
○ 君のひとみは10000ボルト
いいけどさ。百万ボルトは昔から間違えられたほうが有名なフレーズなので、わざとかも。
所作の大げさなこの噺を、きっちり大げさに演じてウケる。「Ohマイブッダ!」。
古典派ひと筋だった二ツ目時代は、ナースコールのみどりちゃんとか、ウケても演じるのが恥ずかしかったらしいのだが。
みどりちゃんほど、ゆりこちゃんは極端じゃない。
ゆりこの年齢が出てこなかったのはあえてでしょう。
あと、寺出悟の出生地「ルンビニ」は一般受けしないからか、抜いていた。
時間がたっぷりなので、鎌倉のお寺の言い立てが入っていた。「シングルアームよ」はなかったけど。
言い立てに手を叩く準備してたのだけど、江の島から小田急に乗ってついでに本浄寺(この会場)に来て住職にご挨拶とつなげてしまい、叩くチャンスを逸する。
まあ、柳家の人は基本中手嫌いだからな。
こみち師は年齢を隠しておらず、47歳。
若い頃のまま、とてもかわいらしい人である。
このかわいらしさが新作に活き、そしてトリの一席にも活きるのである。
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