2022年7月1日二ツ目再昇進:春風亭かけ橋まつり

昨日、7月1日から芸術協会では春風亭かけ橋さんが二ツ目昇進。
今席は池袋で披露目をしている。円楽党みたいに口上はないけれど、新二ツ目はご祝儀で10日間高座がある。
紆余曲折あった噺家さんであり、二ツ目昇進は二度目である。なにしろ落語協会の柳家小かじとしていったん二ツ目になっていたのだから。

すでに彼の名を検索すると、当ブログの記事2種類が上位に表示される状態に、早くからなっていた。
それを前提にして、昨日は怒涛の検索訪問ラッシュである。数字は個別のアクセス数。

  • ヨネスケちゃんねるで春風亭かけ橋を見る・・・202
  • 春風亭かけ橋・二ツ目昇進決定(のはず)・・・147

昨日私が出した通常記事「豪雨の連雀亭客2人 桂竹千代に古代史落語をリクエストする」も151と多かったので、昨日は個別訪問数794と当ブログの最高記録が出ましたよ。
ここから「師弟関係」タグなどをタップして先に進める人は、情報強者。かけ橋さんの元大師匠小三治であるとか、春風亭一朝師の師弟関係など、さらに多くの情報が当ブログ内にはある。
いっぽう多くの人は、検索で引っかかった情報しか見ていかない。
まあ、それでもこれをきっかけにまた読者が増えればいいなと。

「ヨネスケちゃんねるで春風亭かけ橋を見る」は当ブログで累計アクセス2位。
1位は、「金原亭乃ゝ香が『古今亭佑輔』で復帰」。僅差なので、近日中にかけ橋さんがひっくり返す。

しかし不思議なのだけど、これだけ多くの人が検索してくれたのはいいのだが、きっかけはなに?
これが、まるで謎。
池袋演芸場に行って知った方も中にはいるでしょうが、検索の数のほうがあそこの入場者よりずっと多いわけで。
「どうして検索されているのか謎なので、検索経路を調べる」ということをしていたのだが、結局わからなかった。
みつかったのは唯一、三遊亭仁馬さんのYou Tubeに出てきたかけ橋さんが、ムキムキの筋肉を披露していたものだけだ。こんなのが検索流入口でないことだけは確か。

でっち定吉はかけ橋さんの披露目に行くかって?
これだけ当ブログを盛り上げてくれた人に申しわけないのだが、ちょっと無理だなあ。
当席は、芸協の真打披露のいよいよ最後(国立)だし、鈴本では柳家喬太郎師が主任。
他にも行きたい会があって、手が回りません。

かけ橋さんは、これからいくらでも会があって、見かける機会はいくらでもあるはず。
落語協会時代の仲間との落語会もあるに違いない。そして自分の勉強会も。
すでに昇進前から、「向山庭園落語会」なんてものがあり、検討したことがある。最寄駅は豊島園。
東京かわら版の裏表紙にも広告が出ている会である。

神田連雀亭には出るだろうか?
よく似た落語協会からの移籍組、桂しん華さんは出ていないため、いまだに高座を聴いたことがない。
お茶の水「太陽」によく出ているのは知っている。

基本的に落語協会と芸協は「前座修業」については横並び。
だから、かけ橋さんをいきなり二ツ目で移籍させてもよかった。
だが、ここには芸協側の深慮がある。当人が協会内で後ろ指を指されないようにという配慮なのだ。
立川流から師匠・談幸に付いて移籍の吉幸、幸之進の二人も、それがあって短縮はされたが前座からやり直した。
歌丸師の発言として、小痴楽師がどこかのYou Tubeで語っていた。

上方の話だが、同じ転身組でも桂三度さんがちゃんと自分の意思で楽屋に詰めたのに対し、月亭方正はこれをしなかったため、業界内の評価が大きく違うのだと。
事実は知らないが、さもありなん。

ちなみにかけ橋さんが活躍し、話題になればなるほど元の師匠、三三師にとってはダメージとなる。
別に三三師に憎しみを抱いてはいないが、でもちょっとは愉快である。
かけ橋さんは三三師の会の前座に呼ばれていて、表面的な関係性は一応修復されてはいるようだが、そんな甘いものでもない。

しかしながら先日東村山で、三三師そっくりの口調で語るかけ橋さんを聴いて衝撃を受けたのもまた事実。
師弟関係は一筋縄ではいかない。切れた師弟関係だって。

かけ橋さんのWikipediaは二ツ目昇進前に復活した。
それによると、2018年4月に落語協会を辞め、7月に早くも柳橋師に再入門とのこと。そんなに早かったのか。
いくらなんでも早すぎる。
クビを切られた場合、再入門するのもいいがけじめ期間が求められるものだろう。なのにわずか3か月。
こんなに早く復帰できたのは、乃ゝ香改め佑輔の件を見てもわかるが、クビを切った側が理不尽だという評価が業界にあるからに違いないのだ。
落語界というもの、理不尽にクビ切られた人や、才能のある人にとっては意外なぐらい融通が利くのである。
ただしクビを切った側にとっては、自分の判断を業界にないがしろにされたわけだから、これにずっと苦しむことになるかもしれない。
小三治は一切悩んだことないと思うけども。

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada 落語関係の仕事もお受けします。

8件のコメント

  1. おはようございます。
    かけ橋さんはヨネスケちゃんねるの生配信に小痴楽師と出演されて「明日から二つ目です!」とやってた影響もあるのかも?ですね。
    元師匠との関係は修復?10月に元師匠と現師匠をゲストに呼んでのかけ橋独演会があるようです。
    大師匠が無くなった事で元師匠も大手を振って応援できるようになったのでは?

    1. まるかんさん、ありがとうございます。
      生配信でしたか。情報自体も知りませんでしたが、それですね。
      「ヨネスケちゃんねる」のワードも検索にあったんでしょう。

      三三師の、クビにした弟子との関係性がどの程度なのかはわかりませんが、ダメージが癒えることはないのではと思っています。
      なにがあったのかは知る由もないですが、一琴師も含めて、自分の師匠から孫弟子を守ることができなかったのかなと。

      1. まぁ相手は人間国宝ですから。

        以前、小痴楽師が「破門されて拾ってもらった奴でその事を軽く考えてるヤツがいるのが許せねぇ!オレが言うのも何だけど」って仰ってたのは今回の一緒に生配信をした流れから考えると別の噺家なんですね。

        1. >「破門されて拾ってもらった奴でその事を軽く考えてるヤツがいるのが許せねぇ!」

          私はべ瓶師のYou Tubeに出てた小痴楽師からその発言を聴きましたが、また別口みたいですね。
          べ瓶師のほうでは、しん華・かけ橋については批判というより「芸協これでいいのか」みたいなニュアンスをかぎ取りました。
          小痴楽師の批判の矛先は、立川志ら門さんじゃないでしょうか。

  2. 初めまして。
    少し前にこちらのブログに辿り着き、いま読み込んでるところです。

    かけ橋さんの移籍については、三三師匠から柳橋師匠に直接お願いされたようです。
    https://hochi.news/articles/20220701-OHT1T51258.html?page=1

    ということはやはり大師匠による破門(噂では大師匠の秘書が絡んでるとの…あくまで噂ですが)だったということですよね。

    この話も大師匠ご存命なら表には出なかったかも。
    なんにしろ、かけ橋さんにはこれからどんどん活躍して頂きたいです。

    1. ぴーたんさん、いらっしゃいませ。
      当ブログには1,500の記事がありますので、気の狂わない程度にご覧いただければ幸いです。
      最新のニュースありがとうございます。

  3. 春風亭柳枝師匠の7月1日のツイートからかけ橋さんのことを検索してここにたどりつきました!

    1. いらっしゃいませ。
      いろんなルートがあるものですね。
      柳枝師のツイート、読みました。いい話ですね。

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