梶原日曜寄席 その1(立川幸弥について少々)

7月最後の日曜日は梶原いろは亭へ。予約で2,000円。
この、東京の隅っこにある寄席に、同じ月に2回来るとは。
もっとも、土日に来るのは初めて。過去来たのは水曜、火曜の二ツ目の会だけである。

本日は三笑亭夢丸、桂佐ん吉の会。
私は上方落語をいつもラジオで聴いてるが、佐ん吉師はそれほど馴染みの深いほうではない。NHK受賞者ではあるけど。

この週も桂文鹿師など上方の師匠が東京で活動中。
いろは亭も、前日の土曜には笑福亭鉄瓶師が出ていた。
上方にも聴きたい師匠は大勢いるが、東京の師匠でも御無沙汰の人がたくさんいるため、優先度が高くはならない。
夢丸師ももっともっと聴きたい人である。

またしても財布の中に現金はない。
先日平井の地で、(無手数料にこだわり)カネを引き出すのに往生したのだが、今回も。
尾久の駅前に三井住友銀行や三菱UFJ銀行のATMはない。
コンビニ手数料無料特典はすでにない。
だが、よく考えれば私は三井住友Oliveだから、他行振込手数料が常に無料。
引き出し無料の1回残っている楽天銀行に振り込んで、コンビニで引き出せば無問題。尾久にだってコンビニぐらいある。
なんだ平井でもこの手があったのだ。

尾久の駅からちょっと離れ、しかも梶原いろは亭と反対側だが、明治通り沿いに新しいマクドナルドができているのでここで時間を潰す。

いろは亭ではマスクを配っていた。
20人程度入っている。あと、どこで流しているのか配信あり。

平日と違い、太鼓の生演奏が。
立川幸弥さんらしい。
芸術協会を追放され、ここの土日のハウス前座(フリー)という、奇怪な存在。
秋から二ツ目昇進なんだって。なんのこっちゃいな。
今日はこの人も、目当てとまでは言えないが冷やかしついでに。
なにせ現在、立川幸弥で検索して引っかかるのは私の記事。
なんとなく、各方面に対し責任を感じないではないのだった。
二番太鼓は夢丸師が手伝っているのだろうか。

初天神 幸弥
妻の酒 佐ん吉
臆病源兵衛 夢丸
(仲入り)
御用心 夢丸
仔猫 佐ん吉

前座はその幸弥さん。芸協時代に一度聴いてるはずだが、記憶はない。
うーん。
実力については色眼鏡なしで判断するつもりでいた。私は別に、この人になんらひどい目には遭っていないのだし。
なにかしら書いたという経緯がなければ、前座だし、高座の内容スルーしていたと思う。
口調はいい。でもオチケンっぽい。
初天神に結構工夫を入れているのだが、工夫の内容は、金坊が難しい言葉を使って親父にはわからないだろうと逐一貶めるというもの。
親子の仲のよさを描かず、懸命な工夫によってどんどん対立させていくわけだ。
しかも母親も、金坊がうちにいると大変だなんて子供の前で語っている。
対立したままの親子関係。
素人の私からしても、かなり間違った方法論と思えてならない。
誰にも注意してもらえないものか。

長い時間やることになっているものか(18分くらい)、前座だが自分のマクラも語る。
甥っ子の話。内容は覚えていない。
それから刑務所ごっこ。

少なくとも「協会の外にフリーだけどすごい二ツ目がいる」ということにだけはならないようである。

胸元がだらしなくはだけている。
佐ん吉師に「セクシーでしたな」と言われてた。イヤミであろう。
ご本人には飽きたので、途中から他の客を観察していた。
笑ってる人も、省エネモードの人も、白けてる人もいた。
これだけでは、何一つ語ったことにはならないが。
前座をみんながちゃんと聴くわけではないので。

常連の客が、「昨日とおんなじ噺とはねえ」とつぶやいていた。

幸弥さんが、見台と膝隠しを持ってくる。
生の高座は初めての、桂佐ん吉師。
東京は暑いですね。毎年、大阪のほうが暑いように感じてましたが、今年は東京が暑いです。
やっばりビッグモーターが木を枯らしたせいでしょうか。
ツカミバッチリ。

夢丸師について。
夢丸さんとは同じ昭和58年生まれで、かつて九州の会で意気投合しました。
明るくて愛想よくて、いい噺家さんですよね。
今日も前日に、よろしくお願いしますって電話もらいました。
でもですね、私も先輩にいただいた会ならそうしますよ。今回は梶原いろは亭さんにお話いただいただけですからね。
こんなことでいちいち電話してくるのは、なにか企んでるんと違いますか。
もうひとつ腹の内の読めない人です。

前回、笑福亭鉄瓶さんと一緒にここに出させてもらいました。
鉄瓶さんはイチビリですからね、前座の幸弥さんもいじるわけですよ。
きみ男前やから、高座から下りたら佐ん吉が手エ握って来るでえと。
そない言われたらね、握らんわけにいかんでしょう。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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