咳がようやく治まってきたので土曜日は出かけます。
先月に続いてシブラク。先月に続いてLINEのクーポン利用。
クーポンはありがたいが、今月の場合はクーポンがなかったら来なかったかというと、月曜(祝日)の小せん・百栄・花いちに行ってたと思う。
ちなみに本日日曜日は鈴本主任の喬太郎師がトリ。
クーポンが出てるこの5時の会、もちろん悪いメンバーなんてことはない。トリは橘家圓太郎師。
蛙茶番 | 好二郎 |
猫忠 | 一花 |
(インターバル) | |
若き日の大浦兼武 | はる乃 |
甲府い | 圓太郎 |
お客は20人くらい。
静かで快適な空間。この地にたどり着くのはたいへんだけど。
私よりも、一花さんと圓太郎師のほうが若干咳き込んでいた。お大事に。
トップバッターは、終わってしまった無料のカメイドクロック落語会で散々聴かせていただいて、それ以来の三遊亭好二郎さん。
昼は都電落語会。
なかなかやりづらい環境だったが面白い経験とのこと。東京かわら版で見つけて私もちょっと興味あったが。
歌舞伎座に「権三と助十」を観にいった。
珍しいことに、もう3日目なのにセリフが飛んでいた。
松緑、獅童どちらのチョンボかはわからない。
なんだか自信がついた好二郎さん。毎日同じ芝居だって間違えるのだ。
我々は毎日違う噺を喋るのだから。
本編は蛙茶番だが、どうもこの静謐な空間はいけない。
しかもちょっと歩いていたこともあり、先月と同様寝落ちしてしまう。
それほど寝たつもりはなかったが、しかし冒頭から舞台番の半公が活躍する場面までまるで記憶がない。
好二郎さん、神田連雀亭抜けるから今後聴くチャンス減りそうなのに。
ここからはしっかり起きていた。
二番手は春風亭一花さん。この人も連雀亭抜けるが、売れっ子だからどこでも聴けるだろう。
今日は少数精鋭ですね。
小さなお子さんがいらしてるというのに蛙茶番とは。
まあ、今わからなくてもそのうちわかるでしょう。
好二郎さんとは仲良しで、彼は笛を吹くんですね。
私の師匠一朝は、歌舞伎座に出ていたプロの笛吹きです。
だから弟子たちもみんな笛を習います。師匠の立派な笛を譲ってもらっていますが、だいたい「さくらさくら」で挫折するんですね。
挫折したからといって師匠に笛を返せませんので、弟弟子に引き継ぐんです。
8番弟子の私になって、ようやく止まりました。
上手くはないですけど吹いています。
とにかく笑ってください。笑ってるうちに楽しくなります。
笑えなければおそばに寄ってあたしが脇の下くすぐります。
噺家はよくこんなことを言うわけだが、「なら笑おうかな」と一瞬でも思わせるのは一花さんの語り口だけだな。
そして稽古の女師匠の話。
30分の枠があるとさすがに「稽古屋」などでは埋まらない。
女師匠の家に稽古に向かうと、もうやめたと言って帰ってくる仲間と出くわした。
もう稽古には行かない。師匠には男がいる。常アニイだ。
そんなバカな、それだけはない。常アニイにはやきもち焼きのおかみさんがいるんだ。
嘘だと思うなら節穴から覗いてみろ。
なんと、師匠といちゃいちゃしているのは紛れもなく常アニイ。師匠と、冷てえ刺身は旨くねえななんてやってる。
大ネタの、猫の忠信。文珍師などよくやってるイメージ。
東京では縮めて猫忠。市馬師がやってる。そこから来ているのか。
キーワードはぬくい刺身と氷の羊羹。
東京だから「あったかい刺身」だったかな。
途中で、「子供がいるのにまたこんな噺か」と自虐も入れていた。
女師匠とよろしくやってるアニイ(偽物)へのジェラシー、同じ顔が二つあって現実を見失う「粗忽長屋」みたいな混沌さ、狐狸妖怪をなんとかねじ伏せようとするサスペンスとスペクタクル、まあいろんな要素が詰め込まれた噺である。
しかも義経千本桜を下敷きにしている贅沢さ。
それにしても一花さんの語りはスラスラ入ってくる。
女流も大勢いるが、やはりこの人が一番いい。というか噺家全体の中でもかなりいいのだけど。
そして、本物の常アニイに取り押さえられた化け猫、芝居の場面に入るところで笛が入る。
もちろん先に出た好二郎さんが袖で入れてるのである。
マクラでさりげなく笛の話題を入れてるから驚かなくて済む。それにしても実にさりげない紹介だった。
トリの圓太郎師が、「一花さんはよく勉強してますね」と感心してた。
笛だけとはいえ鳴り物入りで、浪曲に対抗する意図もあったかな。
シブラクは2分のインターバル。
この間、気づいたら釈台が出ていた。
続きます。