1日、シブラクを挟みました。鈴本に戻ります。
鈴本では仲入り休憩時に前座が客席に出てきて、スマホの電源その他寄席のルールについて再度注意をする。帽子も脱げとか。
本日開口一番を務めた辰むめさんが出てきた。しっかり諸注意。
昼席のハネた後、表で太鼓叩いてたのもこの人。
「入船亭辰むめ」で検索すると、2件目に私の記事が出る。今年の用賀。タイトルは扇辰師。
この記事では辰むめさんのことさして褒めてないので、今回の「その1」が早く掛かるようになるといいのだが。
幕が開くと、舞台の上手（屏風）から下手（メクリ台）にロープが伸びている。
出囃子はなく、最初から音楽が掛かっている。
最近寄席に出突っ張りのダーク広和先生がゆっくり登場。
ロープ抜けを観るのは二度目だ。
舞台の後ろにはフラフープ。ロープの後ろでフラフープの芸を見せ、そしてメクリ台を抜けてロープの前に出てくる。
それから背中で通り抜け。
大きな拍手をもらったあと、スマホでもって曲を切り、「うるさい」。
トランプの一回転と、傘に投げ込むマジックで手短に降りる。
いつも楽しい手品師。
続いての落語は二ツ目抜擢。プログラムにも秋の真打昇進と書かれている入船亭遊京さん。
おかげさまを持ちまして、秋から真打昇進です（拍手）。
名前が扇白に変わることについて。
元々、遊京という名前を付けてくれたのは大師匠の先代扇橋でした。
その大師匠が「遊京」を取り込んで詠んでくれた俳句に、「白い」という言葉が入ってまして。
白というのはいい色です。
取り上げた俳句も忘れてしまったし、なぜ白がいいのかもうろ覚えなのだが、まあ、再来月号の東京かわら版に詳しく出るだろう。
ちなみに師匠・扇遊は京大出身なんていう経歴はあまりアピールしないほうがいいという方針だったが、大師匠がそういうものは出したほうがいいと付けてくれたのではなかったか。
京大出身は、上方にたま、福丸といるが、東京では初めて。
さらに後輩にはいっ休さんもいる。地味に一大勢力になりつつあるのだった。
この人の披露目はぜひ行きたいのだが、馬雀・馬久と同時期なのでたいへん。
本編は粗忽の釘。
遊京さんのこの演目は初めてと思う。
わりとスタンダードなタイプ。露骨にウケ狙いに行かない、品のいい一席。
釘を打ち込むまでぐずぐずしない。とっとと打ち込んで、とっとと間違った指しゃぶって、そして柱じゃなくて壁だとスピーディ。
かかあに叱られた勢いで、向かいの家に怒り気味で向かう火焔太鼓方式。
向かいでも、釘はこんなに長いんですよとぐずぐず入れず、スピーディに解決。そして自分の新居には帰らない。
遊京さんは客を信頼してるんでしょうね。
過剰な説明をよしとしないのだ。
刈り込むだけではない。隣の家に行くと、独自部分が出現。
かかあとのなれそめである。
質屋の伊勢屋が越してきたここにはないネタバレを入れないなど、やっぱり刈り込み気味ではあるが、初めてたっぷりめの部分が。
かみさんの方から、真っ赤になって大工の八っつぁんにアピールがあったのだという。
お祭りで腰巻買ってやったりはしないが、それでも家に招いたりしてくっつく。
露骨にエロなシーンがないのは綺麗事なんだろう。
一旦帰ってから引き返し、隣の家との間で、「ここです」「見えませんよ」みたいなやり取りはなくてすぐ解決。
釘は阿弥陀さま（観音さまだったかな）の首の上に出ている。
刺さっていないというのは初めて聴いた。だいたいは、脳天か喉元から突き抜けている。
仏さまに罰当たりと思うのでしょうか？ これも綺麗事の一種か。
ヒザ前は柳家三三師。
ほどほどに入った客を見て、平日ですからこの程度で十分ですと。来てくださるだけいいです。
まともな人は働いてる時刻ですと、ややヒルハラっぽい。
いつもの流れではあるが。
善光寺と胎内めぐりに行ったことある人のアンケートを取る。行った人が結構多い。
しかも、別途料金のかかる胎内巡りをした方が、善光寺に行った方と同じぐらいいる。
でっち定吉は行ってません。いずれお血脈の舞台として訪ねてみたいが。
お血脈。
鼠小僧は出てこなくて、熊坂長範ともう一人大泥棒の名前が出てきた。誰だったか。
古くなりすぎると誰も知らぬのおと閻魔大王。
石川五右衛門は、リーマンショックで地獄サウナが潰れて失業してるんだそうだ。
とっとと善光寺に忍び込んで、ありがてえと成仏してしまう。
寄席のヒザ前はこれ、という一席。
2年前本八幡で三三師のお血脈聴いて、「逃げ噺だな」と感じたことは、これを書く時点までころっと忘れていた。
落語会のトップバッターなら逃げ噺で、寄席のヒザ前なら見事な一品？ その感想はさすがに矛盾が激しいかもしれない。
ただ、今の中身は当時よりだいぶ洗練されてきたかも。三平disもなくて。
先に玉の輔師が明らかにやってるから遠慮してるだけかもしれないけど。
続きます。明日は再度シブラクを。