六人廻し3 その3(笑福亭希光「狸の化寺」)

更新遅くなりました。アップ時刻を過ぎてからようやく書き始めます。

亀戸の八百屋でもって、ネギを大量に買い込んだ希光さんの話の続き。
一応、遅刻の理由を語るという体である。

それからは、朝昼晩とネギ三昧です。冷奴その他、あらゆるものにネギを掛けて食べます。
大量にカットしてタッパーに収めます。
ですが、近所のスーパーでもネギが高騰してきました。その後安いネギが手に入りません。
仕方ないので、納豆もネギ抜きになりました。
しばらくネギを入れて食べていた納豆、ネギ抜きになると、以前に増してマズいですね。

今日思い出しまして。また亀戸に行ってみよう。
この高座が終わってからでは間に合いません。亀戸の八百屋は午後4時には閉まってしまいます。
なので平井に来る前に買おうと。
今日はリュックじゃありません。トートバッグです。ネギを格納する準備バッチリです。
八百屋数軒ありまして。順に見ていきます。
そしたら6本98円、ありました! 2束買います。
ポリ袋つけてくれましたが、ネギなんで下半分しかカバーしません。あんまり意味がありません。
トートバッグに刺したら、なんだか侍みたいです。ネギ侍です。

ともかくも、亀戸でネギを買い求めてたら集合時刻に遅刻した、という話であった。
並んだ八百屋の最後の店を見たら、同じ値段で売ってたが、やや瑞々しかったということでした。
遅刻の理由がやっと回収できた頃には、もう上がって20分ぐらい経っていたか。
しかし、どう考えても用意していたマクラではない。日頃からぼんやり集めていたネタを、本番で矛盾なく、構成の破綻なく(あったって全然いいところ)、語り切ってしまう。

私も散歩好きで、何度か亀戸から平井への徒歩も検討したが、まだだ。
旧中川を渡らないといけないが、総武線からも見えるふれあい橋という人道橋があるので大丈夫。
こんな暑い日には歩きたくないけども。

ぼくは3,000円も払って落語協会に勉強には行きませんね。それだけ払ったら客席で聴けるじゃないですか。
いえ、行ったことないわけじゃないですが。
上方落語なもので、噺の仕入れ先の問題がありまして。
今からやるのは米朝一門の噺です。お客さまも初めてかもしれません。
多分、東京にはないと思います。いえ、落語協会とかその他でやってたら知りませんが。
ちなみに来週の独演会、行く予定の方いらっしゃいます? 噺変えるかもしれません。
いませんか? 逆に、来週の独演会には絶対行かないぞという方?
あ、いますか。よく手を挙げられますね。

ともかく、珍しい噺には違いないが、希光さんから聴くのがすでに三度目の「狸の化寺」であった。
別に嫌じゃない。楽しい噺。
確かに、落語協会にも円楽党にもこの噺はない。

極めて個人的に、こんな思い出のある話。

でっち定吉にマウント取りたいツイッタラーの大恥

無知と誤読でケチを付けてきた一撃筆殺というやつは、何をしでかしたのかXアカウントは凍結されたようだが。

話がそれた。
三度目になる狸の化寺は、ますますコンパクトになっていた。
土木工事を請け負う黒鍬が、廃寺を宿泊施設として借り受ける。若い連中は分散して宿泊させると何をしでかすかわからない。
あそこは化け物が出ますよってに。化け物なんぞ恐れてられるか。
コンパクトな話だが、舞台背景となる廃寺を住めるように改造するまでは、しっかりと描く必要がある。
膨大な草むしりと、井戸の水抜き、それから埃を取っ払うまで。
頭領の火の玉領五郎の指揮のもと、たちまち人が住めるようになる。しかし気になるのは、動物の糞が落ちていること。
これが化け物と違いますやろか。

過去の「狸の化寺」の記事を読み返すと、希光さんもかつては用意してくるマクラを語る人だったのだなと思った。
いつの間にか、劇的な進化である。

希光さんならではの人物造形が、頭領がオヤジギャグ好きであること。
そして、このオヤジギャグも、どうやら固めてはいないらしい。部下が頭領に何か話しかけるたびに、ダジャレで返す、という構造があるだけ。
アドリブで何入れてもいいらしい。
まあ、マクラの技法をもってすればそんなのなんでもない。
「今日は調子がええ」とかセリフで言ってたような。演者の調子かもね。

夜中に寝ずの番を買って出る頭領。
化け物が少女に化けて出てくる。少女いきなり「かもかー!」と化け物に変貌。
全員を起こし、早速化け物退治に取り掛かる。
気づいたら、阿弥陀さまが一体増えている。増えたやつがバケモンやと、一体一体燻して回る。
3体まで反応なし。
最後の4体め、これ、やるんでっか。こいつに決まってますやんか。
本物やったらえらいことや。大丈夫や、ちゃんとわしがバケモン叩きのめすさかい。
4体めで反応があり、化け物は天井の絵の中に紛れ込むが、頭領と目が合った絵を突つくと落ちてくる。
正体は狸。

ようわかりましたな。
なに、たとえ目が合わんでもわしにはあれやとわかっとった。金玉はみ出とったんや。

前の席がチ◯◯コで、2席めがキ◯◯マ。
小学生男子が喜びそうな前半戦でした。
おじさんも喜んでますけど。

続きます。

 

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