鯉昇師のトリの一席、「味噌蔵」はマクラ込みで非常に長かった。2時間半聴ければ大満足です。
またしても、本来の共演者桃太郎師の話。
あの人はお酒を飲みませんので、酒飲みが好きじゃないんですね。
私のように酔ってグズグズになってる連中と一緒に過ごしたくないようで、打ち上げもすぐ帰ります。
でも、みんな酒飲みだという家で育ったので、酒飲みの食べ物が大好きなんですね。
一度、お前の行く店に案内しろと言われて、やきとりに連れていきました。さっと飲んで、すぐ帰っちゃいました。
でも、昔はそうじゃなかったんです。
アニさんは、ラジオで巨人の応援番組やってたんですね。なので後楽園に近いあたりに引っ越したいということで、家を探す手伝いをしたことがあります。
そして番組が終わったら私に電話があって、大勢で飲めるところを用意しといてくれということで。
あのときのアニさんは、私よりずっとビール飲んでました。
鯉昇師の、ウソでないマクラは珍しい。
珍しくて楽しいマクラ。
語らないが、「桃太郎」でつながるのだろう。またしても昔話の桃太郎の話。
昔、のちの圓蔵の圓鏡師匠が、寄席でよく桃太郎の違うバージョンを話してました。
山に行ったおじいさんが帰ってきません。次の日も、また次の日も帰ってきません。
3年経ち5年経ち、6年経つとおじいさんが帰ってきました。
おばあさんが桃を割ると、中からランドセルを背負った桃太郎が出てきました。
こんなのが、毎日語れるぐらいあったんですよ。
千秋楽の桃太郎は、下ネタだったか? 席亭にやめてくれと言われるネタ。
あいにく、中身忘れてしまった。残念だが二度と聞けまいな。
鯉昇師自身のパロディ桃太郎も語っていたのだが、これも忘れてしまった。
柴を刈らずにくさかったじゃないです。
お話というものは、毎回同じだから安心するんだそうです。
落語もそうです。だから寝てしまいます。
古典落語の桃太郎で、「子供なんて罪がねえな」と言いますが、あれは子供は寝ながら、「罪がねえな」まで聞いてるんだそうで。
耳だけは最後まで生きてるんだそうで。
師匠・柳昇が亡くなる寸前、もう意識がないので枕元で親戚たちが葬儀の段取りを話しています。
お医者さんがやめてくださいと。耳だけは最後まで生きてますので、聞いてらっしゃるんですよ。
そんなフリから、新作落語に入った。と思った。
鯉昇師の新作なんて聴いたことがないが、それでも新作の一門である。ご本人も師匠が喜んでくれる新作を作ってみたいと語っていたはず。
なので、珍しい機会に遭遇できたなと思って喜んで聴いていた。
実際には小噺だったのだけども、新作のムード満点。実に面白かった。
「拘置所の桃太郎」と勝手にタイトルつけてみた。
舞台は刑務所。ただ、囚人が看守に「明日裁判がある」と言ってるので、拘置所ではないか。
囚人は緊張して眠れない。罪状は窃盗。
囚人は看守に、昔話をしてくれと頼む。
仕方ないなと応じる看守であるが、桃太郎の話をしていても、いちいち先行きが刑事犯罪になり、逮捕で終わってしまう。
サゲは、仕込んである古典落語の桃太郎に準じる。
また聴きたいネタ。
こんなの、初席に行けばひょっとして聴けるのだろうか? 初席行かないからな。
話はさりげなく、ケチの話に向かっていく。
ケチの小噺(始末の極意)。
ケチの極意を聞きにいく。
枝にぶら下がり、親指と人差し指だけは握って離さないのがケチの極意。
この後が拘置所の桃太郎だった気もする。
そしてこの後、噺の改変というテーマで圓鏡につながるのだった気もする。
まあ、落語会をコンプリート再現しようというんじゃないのでご容赦。
鯉昇師自身のケチな話。
私も都営交通が全部タダになる、シルバーパスというものを持っています。
私は王子ですから、ここに来るのは楽です。都電で梶原の電停まですぐです。
JRで上中里に出てもいいんですが、お金が掛かります。
ただ、都内の寄席やホールに、すべて都営で行けるわけではありません。でも行きたくなりまして。
上野広小路に出るとき、やってみました。
まず、王子からバスの池袋行きに乗って、西巣鴨に出ます。
そこから三田線と、大江戸線を乗り継ぎます。
京浜東北線なら15分のところ、1時間掛かりました。
私はシルバーパスが手に入る歳ではないが、実にもって共感した。
私も都営の1日券でもって、多少無理やりでもどうやって目的地に行けるかというチャレンジを、よくやっているもので。
先日も、まさに鯉昇師の使ったバスで、西新井まで行ったのだった。
本八幡の会に行く際も、都営1日券でまずカメイドクロック落語会に寄ったあと、船堀経由で行ったし。
川柳川柳師も、池袋と浅草の掛け持ちでバスを使って、遅刻してきたというし。
「味噌蔵」だけで果たして1日分作れるかわかりませんが、続きます。