仲入り休憩は非常に短かった。
南楽さんは客ひとりひとりに、次回予約のためのカードを渡して回る。
高座に上がり、1枚しかない座布団を先輩の昇咲さんに譲り、ふたりで並んで座った。
伸都さんは、ぼくが代わりの演者を探すと言ってくれたんです。でも変なのが来ちゃってもね、と黒い南楽さん。
美よしさんを含めた3人でやってる会の打ち上げでは、南楽さんの悪い一面が見え、昇咲さんは楽しいそうである。
この古典落語ネタおろしの会「てげてげ」では、香盤順に後輩を呼ぶというリスキーなことをしてるのだそうだ。
じゃ、呼ばれない人にとっては避けられてるのがまるわかりじゃないと昇咲さん。
まあ、呼ぶ順番なのに予定があったって人もいますけどねと南楽さん。
今回も断った全員が仕事ではなく、今山にいますなんて人もいたそうで。
芸術協会ではこういうことを気にするのかもしれない。落語協会なら大所帯だからたぶん、呼びたくない後輩を呼ばないのは当たり前だろうし、呼ばれなくても気にもしなそう。
小南一門会は、全員揃ったことがないんです。誰か抜けます。
いろいろ微妙な人間関係だね。
仲悪いわけじゃないんですけど。
ここは弟弟子の南馬さんが、10歳上だしね。
そうなんです。ぼくが2時間先輩なんです。入り待ちと出待ちです。
ぼくの弟弟子の昇ちくさんも年上でね。芸歴はだいぶ離れてるんだけど。
今は年齢制限あるけど、結構歳とってる人もいましたよね。
そう。今落語芸術協会は35までですけど。
あの、年齢制限ができるきっかけの話を。
膝に水がたまった女性ね。
そう、浅草は2階にも楽屋があるので、上り下りができなくなっちゃって。
制限ある前はね、子育てが終わったから噺家になろうなんて人もいたよね。
そう、ぼく一回り上の女性に教える立場で、後ろついて回ってましたよ。
後輩があんまり年上だと、厳しいこと言いづらいしね。
修業時代は大変でしたとふたり。
後で振り返ると、この後やる「紀州」の脱線ネタをある程度食い潰してしまっているのだが、全然気にしない。
話に出てきたのはあら馬さんとか、こと馬さんでしょうが。
神田紅純さんらしい講談師も出てきたように記憶する。
それから南楽さん、最近テニスをやめ、ピックルボールをやっているそうで。
大会で優勝すると、ハワイの試合に行けるんだとか。いいでしょ、ハワイ。
さすがテニスで、渋谷区1位になっただけあって筋がよく、ピックルボールでプロになれるよと言われてるんだとか。
昇咲さんが、実は初めて言うんだけど、高校の時テニス習ってたんだよと。だから一緒にダブルス出ようよ。
ピックルボールは競技人口が少ないので、遠くまで練習しに行ってるらしい。
テニスでもピックルボールでも、ミックスダブルスは女性を狙って打てば勝てるんですよと南楽さん。
卑怯なようですけど、相手も女性を狙ってきます。そこを男性がどうカバーするかが腕のみせどころです。
一度南楽さんもハケて、再度出囃子に乗って登場。
ちなみにこの一席はどうだったか忘れたが、最初に出たときは圓太郎囃子だった。
ネタおろしです。
地噺は茄子娘をやって、しばらく手を付けてなかったんですが久しぶりに覚えようと思いまして。
紀州だった。
御三家のボケから脱線スタート。まず橋幸夫。
水戸家は中納言で格下だからおしり。つまり肛門。
古いなと思ったが、序盤は教わったとおりに。
尾張の殿さま、継友公を「家継」って1か所間違ってたけど。ご愛敬。
しかし後半から、自分の修業の話に脱線する。トークコーナーでもって、ネタ潰しした後だからすごいのだ。
どう脱線したのだっけか。
とにかくも、修業中は4年間1,460日、休みがありません。
たまにお囃子さんが差し入れしてくれたりするのが楽しみです。
寄席で働くと、日給1,000円もらえるんですよ。とんだブラック企業です。
8代将軍の名前は、松平健。
脱線の内容自体が面白かったのだが、あいにくほぼ忘れてしまった。
まあ、ネタおろしでもいい出来だったから、また聴ける機会もあると思うのだ。
サゲは普通。
楽しい会でした。
いつもいつも夜出歩けるわけじゃないが、またこの会来たいと思います。