木曜は、行きたいところが無数にある。
最終的に絞った2か所が決められない。駅まで行ってどっち方面に乗るかまで悩んだ結果、横浜へ。
行かなかったほうは、好楽主任の亀戸梅屋敷寄席。
空席が若干残る程度と思っていたのだが、あやうく札止めで入れないところだった。
もっとも入れなかったところで、命取られるわけじゃないとある種割り切ってもいる。
芸術協会の桂枝太郎師が顔付けしているのだが、協会問わずいろいろ呼ぶよう心掛けているようだ。
この日は、前座以外は落語協会という顔付け。
柳家花緑・花いちの師弟が一緒に出るのを見るのは初めてだ。そして、久しぶりの三遊亭ごはんつぶさん。
| 谷風情相撲 | 若之丞 |
| いいからいいから | 花いち |
| (仲入り) | |
| うどんの逆襲 | ごはんつぶ |
| 柳田格之進 | 花緑 |
いつものように枝太郎師の前説がある。
携帯小噺はなくなっていて(さすがに常連さんには飽きられるのだろう)、1階の喫茶店のカレー小噺になっていた。
前座は唯一の芸術協会で、神田若之丞さん。
伯山先生の3番弟子。
枝太郎師と同じ、岩手の出身。なのでよく上げてもらえるんだそうだ。
横浜のお隣り、岩手県の出身です。
岩手と言えば大谷選手ほか、菊池雄星、佐々木両投手の出身です。
高校は、花巻東高校の隣の花巻北高校でした。東にしておけばよかったです。
スポーツの話題から、江戸時代の相撲へ。
谷風の情相撲。これはまあ、講談でもよく知っている読み物。落語では佐野山。
ところどころ、伯山先生のまんまの口調が出る。
しかしあいにく、この口調が、再び始まるまでのその間の語りがぐちゃっとしてしまう。仕方ないけど。
伯山口調の部分は、なかなかいいものだった。
そして、あの口調が講談の中でもなかなか特異なものであることを改めて認識。
まあしかし、落語でもそうだが、二ツ目になると師匠と違う口調になっていくのでしょうか。
師匠のままやっても需要はないわけで。
柳家花いち師が仲入り。
枝太郎師は先日初めて花いち師を聴いたそうで、Xで激賞していた。
今年は池袋の2度目のトリを聴いて、夏に阿佐ヶ谷で聴いて3度目。
検討だけは、いつも非常によくしている。
出てきて、演目がわかった。
この空色の羽織は、「いいからいいから」のためのものである。
「いいからいいから」は3度目。楽しい噺だし、まあいいだろう。多分自信作なんだと思う。
花いち師を知っているお客さんがどのぐらいいる?
そういう環境に、このユニークな個性がどこまで伝わるか見るのもまた楽しい。
高座の出来は文句ないものだったが、かなり響いた人と、それほどでもなかった人がいたのではないかと。
なんでも、そういうもんか。
なのであとでごはんつぶさんに、うっすら茶化されていた。
花いち師、横浜方面でも会が結構あるのだが、青葉区とかあっちのほうが多いかも。
マクラはだいたい聴いたことあるものだったが、お客への伝わり具合を観察していると楽しい。
インドネシアの郵便局員は、師匠がいたためかなかった。
花緑の4番弟子の花いちです。
私浜っ子なんです。浜松ですけど。
先の講談に出たネタを引いて、地元で観た花相撲の露骨な八百長について。
以前聴いた際、地元出身の熱海富士が負けてしまって大騒動になったと書いてしまったが、翠富士でした。
それから学校寄席。コロナ禍の寒い体育館でおそばを食べる実演をしたら、白い息が湯気に見えて驚かれた。
それから教育実習で子供たちに落語をしたらバカウケ。あのウケがいまだに超えられない。
子供たちは素直ですが、大人になると難しいと振って、やっぱり「いいからいいから」。
最初聴いたときは、おばさん4人組の旅行だったが、その後は3人組になっていた。
今回もそう。
旅行中のちょっとしたお金のやり取りを巡る、おばさんたちの戦いを描く快作。
キーワードは、両手を重ねて振る、「いいからいいから」。
400円の金銭建て替えに500円を出され、お釣りはいいわと言われたことで、もらうほうのおばさん、ついに我慢していたものが爆発する。
バス代から拝観料、半分くれといわれてやったパンの分から、硬貨を入れて眺める望遠鏡の価格まで、ひとつも払ってないじゃないの! 今すぐ返してもらうわ。
素直に払えばいいのに、1円玉20枚で返そうとしたり、無駄な抵抗をする。
しかし、次々請求があるので、これがお釣りでまた戻ってきたりなんかして。
第3のおばさんが出てきて、衝撃の事実が明かされる。
ケンカしないで仲良く写真撮りましょと、富士山をバックに撮影。
この際に羽織が活躍する。後ろを向いて裾を広げ、見事な富士山。
新作落語のサゲなんて忘れてしまっていいものだが、さすがに3度目なので今回覚えました。