柳家三三平日昼の独演会 その4(質問コーナー)

たっぷりめトークの続き。

質問は、「三三師匠が、真打になる小もんさんに掛ける言葉は?」。
この話は非常に面白かった。三三師、お客に熱く語りかける。
落語ってね、一人でやってるでしょ。腕があれば仕事も増えます。
そうするとね、本当に一人でやってるつもりになることがあるんです。
今日だってね、スタッフの人がいて、チケットも売ってくれていて、それで成り立ってるわけです。
しくじりをすれば、師匠が一緒に謝ってくれる。
そういうことを、真打になるときにはね、思い知らされます。
だからぼくはね、座右の銘があります。
この会場にいるお客さんの靴がいつでも舐められます。
いつでも土下座できますよ。山手線の中でだって土下座できます。

別に三三師に靴舐めて欲しくはないけどな。よだれだらけになっちゃう。
周りの皆さんが大事というのはわかるけど、そこから靴を舐めて土下座する話に行くのがちょっと急激。
しかし、それだけの覚悟を持って噺家やってるんだなと思って感心した。

次(順序までは正確じゃありません)は、「三三師匠は、美術館などお好きですか」。
美術館ね。見るとなると本気で見ちゃうんで。疲れるんですね。
この間の欧州公演のあと、ルーブル行きましたよ。6時間ぐらい見てました。疲れました。
モナ-リザも見ました。

ここで小もんさんがモナ-リザのポーズをする。
でも、右肩と左肩、どっち出せばいいんだかわかんなくなっちゃう。よく考えたらモナ-リザはどっちか肩出してるわけじゃないけど。

あと、サモトラケのニケね。
羽の生えた天使ですね。顔はないんですけど。
ニケっていうのは、NIKEですね。ナイキの羽根のマークはニケですよ。
でも私ね、よくわかってなくて。
サモトラケって島なんですけど、私、「サモトラ家」だと思ってたんですよ。サモトラ家のミケみたいな、猫かなと。
この彫刻は階段のところにあるんですけど、私猫探してました。

続いて、「最近AIに質問したことは?」。
あんまり質問しないですけど…あ、そう。絵を描いてもらいました。
魚と富士山を描いてくれって。何枚も描いてくれました。
魚から足が生えてたり、生えてなかったり。魚が坂を登ってる絵です。
でもAIってあいつら馬鹿ですね。富士山の前で、魚が坂を登ってるんです。だから富士山登ってないじゃないですか。

小もんさんも、なんだったか二種類の動物の絵を描いてもらったんだそうだ。なんでだったか忘れたが。
そうしたら、訂正を要求するごとに二種類の動物が混じっていって、上半身と下半身それぞれ違う動物、キメラみたいになってしまった。

最近落語会のチラシもAI増えましたねとお二人。

そういえばと三三師。昨日よみうりホールで志らく師匠とお会いしました。
え(客の前に乗り出し)、なんですかそのイヤそうな顔は。皆さんの眉間に、一斉にしわが走りましたね。
志らく師匠、AIに作曲させてるんですって。架空の昭和歌謡を作らせてるんだそうです。作詞して、曲を作ってもらうんですね。
声も指定して。そうすると男性の渋い声が流れてくるわけです。
それを聴かせてもらいました。
本当に、昭和歌謡っぽいんです。でも市馬師匠が「こんな曲はない!」って断言してました。
どうです市馬師匠、歌いませんかと訊かれて、「イヤ」って即答してました。

AIの話ってのはどう転がしても面白くならないなと思った。AIの失敗を笑う立ち位置が存在しないからだろう。
だが、志らく師の話でもって、お客さんが本当に嫌な顔をした様子が想像できたのは面白かった。

それから「ヨーロッパ公演で、あちらのお客さんに落語は伝わりましたか?」
私ね、海外公演は初めてで。シンガポールでやったことはあるんですけど、それは現地の日本人向けでした。
結構評判よくて。「懐かしいわー」と握手を求められたりして。
日本ではどちらで落語お聴きになってたんですかと尋ねますと、「日本では聴いてないの」。懐かしくないじゃん。
今回のヨーロッパでは、おそばの食い分けなどしまして。
こう、おそばを持ち上げて、長さを見せてたりなんかしまして。それからズルズルと飲み込むと、「オー…」と嫌な反応です。
いえ、本当は日本もリスペクトしてくれてますので、おそばすすってもそれはそれでいいみたいですけどね。

質問に対する、直接的な回答はついに得られなかった気がするが。

ヨーロッパは今年暑かったんです。ようやく涼しくなってきたころに行きました。
向こうは冷房のついていないうちが多いんですね。歴史的建造物に住んでて、室外機が取り付けづらいとか、美観を損ねるとかあるみたいで。
そうしたら向こうの大臣が、「我慢すればいいじゃない」と言ったらしくて、物議をかもしてました。
日本ではずっと雨が降ってたそうですが、私まったく知らないんですね。
公演終わって私はパリにバカンスに行きました。
パリにはラーメン屋が多いですね。Japanese Traditional Noodleとか書いてます。どこがトラディショナルなんだ。

「カープファンの三三師匠、巨人の松井秀喜新監督についてどう思いますか」
松井さんね、同い年です。
新宿の明治通りの横断歩道ですれ違ったことがあります。あ、「でけえ」と思いました。
私も180ありますよ。最近計ったら179でしたけど。もう1回測ってもらったら178.5でしたけど。その私が見て、186の松井さんはでかいなと。
すれ違っただけですけど、先代の圓歌師匠だったら、「松井は俺が育てた」って言いますね。
あの人飲むといつも、「三人娘の雪村いづみと江利チエミが俺を取り合った」って言ってました。絶対にウソなんですけど。
というのは、何度も話してるからときどき、どちらかが美空ひばりになるんですよ。絶対ウソでしょ。

松井から先代圓歌に話が飛ぶので、長くなるのだ。

質問コーナーはまだあった。小三治家の犬「ネコ」に対する質問。
続きます。

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