鈴本演芸場6 その1(鈴本にトホホな現金投入機登場)

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上方落語のセクハラ事件の件で、かなりのご来場をいただいたでっち定吉落語日常&非日常です。
アクセス多くても、あまり嬉しくはないですな。

さて、今朝の更新なくてごめんなさい。
非日常でなく日常のほうを、撮って出しにします。
締め切りを乗り切ったので、寄席に行ってきました。鈴本昼席は柳家小ゑん師の芝居。
実に日常感溢れる寄席でした。
鈴本は、昨秋以来。かわら版は持っているが、割引券が出ているのでそちらを提示して200円引き。

半年振りの鈴本、いろいろ変わっていた。

  • 現金投入機導入
  • エスカレーター休止
  • 携帯スクランブル導入

外にあるテケツを使わず、モギリで現金を機械に入れる。
チケットは、スタッフからもらう。
現金に触らないようにするのはいいが、キャッシュレスにはしないのだな。
今日もファミマで現金下ろしてからだよ。私は落語以外では、現金にはほぼ触れません。
クラファン資金の交付を得てもカツカツな寄席に文句は言いたくないけど。キャッシュレスは手数料も掛かるしな。
でも、機械の導入で人をリストラするなら、他にやることがあると思うが。
携帯スクランブルは客にいちいち案内するような性質のものではなく、仲入り休憩の途中で通信できなくなって気付く。
携帯鳴らないのは、いいことには違いない。
携帯スクランブル導入は、国立演芸場に次いでだろうか。

子ほめぽん平
初天神市弥
ストレート松浦
饅頭こわいしん平
替り目文楽
ロケット団
松山鏡正蔵
浮世床(夢)さん生
小猫
粗忽の釘馬石
(仲入り)
にゃん子・金魚
生徒の作文駒治
代書屋一之輔
小菊
ほっとけない娘小ゑん

落語協会オールスターズのような番組だが、客は30人いないぐらい。
すでに前座さんが上がっている。
メクリは「ぽん平」とある。初めて出くわすが、正蔵師の次男だということは知っている。
兄・たま平と同じく、実に珍しい直系四代目の噺家。
「ぽんぺい」なのか「ぽんへい」なのか、どっちだ。ポンペイだと思うけど、火山灰に埋まりそうな名前だ。
狙って付けてるのだろうが。
演目は子ほめ。
人のトシの褒め方は隠居に教わるが、実践はなし。
いきなり竹の家に上がって子供を褒める。
褒め方のコツは、一度下げてから持ち上げること。
先日、上原浩治について書いた際、一度クサしてから持ち上げる関西の文化についてちょっと書いた。なんだ、関西まで行かなくても、おなじみの前座噺にこのくだりがあったなと。

八っつぁんに、道で会う相手が100歳だったらどうするか訊かれ「うるさいよ」と答える隠居。
あ、この部分、テレビのドキュメンタリー「たま平、しっかりしろ!」で、兄のたま平さんが父に叱られていたところだ。
隠居が怒り過ぎるからいけないというのだ。
それを思い出して妙にヒヤッとした。でもぽん平さんも、やや怒り気味の隠居ではありました。

実に凡庸な高座だった。だがこれが大正解だと、いろんな前座さんを見ていて確信します。
まずは人前でしっかり喋れるようにならないといけない。しっかり喋れているぽん平さんの未来は明るい。
ぽん平さんは楽屋の序列が一番下のようで、そのまま高座返しをずっと務めていた。

続いて二ツ目は柳亭市弥さん。入船亭小辰さんと交互。
昨年末に、小辰さんともども出ていた巣鴨スタジオフォー巣ごもり寄席で聴いて以来。その際、結構酷評してしまった。
今日はどうか。NHK新人落語大賞で魅せたような、いいほうの市弥なのかどうか。

初天神は、さん喬師に教わったのだろう。
「河童というのは空想上の動物。その動物が現存するかのように語り、子供をおびやかす」という、さん喬師ならではのフレーズが入っている。
ところで、以前から気になっているのだけど、「空想上の」動物は「現存」するもしないもありません。もともと存在しないんだから、滅びることはない。

悪いけど、中途半端な高座だったなあ。
赤い飴玉を「座布団運びだからイヤ」と金坊に言わせて引っ込める。そこまでは地方でウケそうなクスグリ。
だが、反応があまりよくなかったためか、青い飴で小遊三師に触れない。
なのに、黄色い飴玉で、「黄色いのはバカだから」と言いかけて、すぐやめる。
結局紫の玉を選ぶのだが、なんだかわからないギャグになってる。

あと団子。餡か蜜かというくだり。「蜜はダメ」。
そのあと、なぜもう一押ししない! 今日の客には蹴られると思ったんでしょうか。まあ、それはそうかもしれないが。
クスグリ入れるなら入れる! 入れないなら最初から端正にやる!
お願いしますよ。気持ちがちょっと弱いんだと思う。
市弥さんも来年恐らく真打だ。強いハートを魅せてください。

続きます。

 

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作成者: でっち定吉

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