「ごはんつぶ」「柳家やなぎ」のアクセント

寄席のレビューが途切れ、落語界のネタを取り上げるなら、まずは赤羽の林家ペー宅火災か。
しかし火災保険に入っていない状態での失火とは、シャレでは済まない。下の階の住人も大変な災難だったようで。
仲間が助けてくれる(会で)のではないかと想像したら、早速たい平師が構想しているようだ。
こういう仲間の救済は、昔から言葉がある。
「よみきり」という。
ともかく、焦げたピンク衣装で早速寄席を務めるペー先生は偉い。

チョコプラ松尾の騒動(素人がSNSやるな)については、SNSやってる素人の一人である私、怒ってしかるべきという気もするのだが、あいにくまったく腹が立たなくて。
別に松尾のファンだから許すとかではない(そもそもファンでもない)。
いつもいろいろ腹を立ててる私が、なんでこの件に腹が立たないのか、よくわからない。
とにかく私の感性は、この事件を非常に軽く捉えているようである。

さて、今日のネタ。
噺家の名前アクセントシリーズ。
radikoプレミアムをやめてからは、ラジオライフはもっぱらNHK(らじるらじる)。
ラジオ深夜便を聴いていたら、三遊亭ごはんつぶさんが出ていた。ネタは「妖怪根問」。
落語は実に楽しかったのだが、中川緑アナの「ごはんつぶ」のアクセントに違和感を覚えて。

ごはんつぶさんご本人が挨拶で発声している名前は、私の認識と一緒。
「はんつ」までを高く発声する。
「司法書士」「美容外科」「キラーパス」「ハローキティ」等のアクセントと一緒。
ところが放送での紹介では、「はん」だけを高く発声する。
「時間軸」「サロンパス」「イリュージョン」「サドンデス」のアクセント。
言葉の意味を考えず、初めて聞くカタカナ単語は自然とこのアクセントになりやすい気がする。
「グランデュオ」「ジローラモ」「アファームド」(1978年米国三冠馬)など。

多分、NHK的には「ご飯粒」はこう読むのが正解ということなのだろう。
それでもなお違和感を持つ理由、考えたらわかったかも。
「ご飯粒」は、「ご飯」と「粒」でできていて、意味を考えずにはいられない言葉だからだ。「美容」と「外科」がつながったとき意味を考えないではいられないのと同様。
そう考えると、NHKでどう言うかはいざ知らず、ご本人の使っているアクセントのほうがしっくり来る。
とは言ってみたものの、時間軸以外にも「彼岸花」「みかん箱」あるいは「衣紋掛け」も、前後にそれぞれ意味があってもこのアクセントだということに気づく。
共通項である「ん」に多少の秘密が隠れていそうなのだが、わからない。
モランボン。
でも「向こう見ず」もこのアクセントだ。
結局、理屈も感覚も絶対じゃないとしか。

それにしても、ごはんつぶの発音が複数考えられるとは思わなんだ。

噺家の名前のアクセントで、最近改めて不思議に思ったものがあった。
こちらを準備してたら、ごはんつぶがたまたまくっついたのだ。
今秋の落語協会新真打、柳家やなぎ師である、
この人が改名しなかったのは実に意外。真打でやなぎか。

この人、「柳家やなぎという珍しい名前ですが、『かもめはかもめ』と同じ発音ですので」と自己紹介している。
だが最近我に返って気づいた。
「やなぎややなぎ」と「かもめはかもめ」はそもそもアクセント違うよね。
なんとなくスルーしてきてしまったが、ついに気づいた。

柳家やなぎ、はこちらの認識では、亭号の「ナギ」とやなぎの「ヤ」にアクセントを置く。
「柳家わさび」ならこうだ。
ただ記憶をさかのぼると、ご本人は「柳家・柳」と発声していたように思う。「かもめ」と同じ平たいアクセントで「やなぎ」と言う。
「松鶴家千とせ」のごとく。知らないと読めないから、あまりいい例ではないけど。
「やなぎ」は兄弟弟子の「小志ん」「さん花」「小きち」と同じアクセントで呼んで欲しいみたい。
ただ、「柳家」と「かもめは」では、3・4文字目のアクセントがそもそも違う。

結論としては、「かもめはかもめ」ではなく「鏡よ鏡」だったら、ご本人の使う柳家やなぎと同じアクセントと同じじゃないかと思います。
「柳家やなぎという珍しい名前ですが、『鏡よ鏡』と同じ発音ですので」にしていただきたい。

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