おかげさまでプラグインをひとつ取りやめたら広告が復活したので、やる気を出して続けます。
池袋昼席トリの彦いち師は「身投げ自演」。
夏の噺ですとのこと。
そういえばヒザ前の小ゑん師が、「さるかに合戦の臼」って紹介してた。
もともと彦いち師自身のネタだと思ってたけど、誰かに付けられたのかも。
昔SWAで作ったネタみたいだが、寄席でやってるのかどうか? 初めて遭遇した。
速記では読んでたが、「四万六千日のマイレージ」まで内容思い出さなかった。
主人公は古典派の落語家、もみじ亭どんぐり。
もみじ亭は、「舞番号」にも出てきて、そちらはエリンギとしめじだった。
どんぐりはもう20年やってる真打。
なのに今日も師匠からお小言を食らう。
こないだお前の会を覗きました。
ご覧になったんですか師匠!
なんだあの文七元結は。吾妻橋から文七が身投げしようとして、そして本当に飛び込んだ。なんですか水面に落ちる前に羽が生えて飛んでくというのは。
そういうものも面白いかと思いまして。
飛び込む了見がわかってない! お前なんか豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!
羽が生えて助かるというのは、「つばさ」にあった気がする。これもこの芝居で出たみたい。
師匠のお小言は続くが、寄席に行かなきゃ。浅草に。
どんぐりは吾妻橋に差し掛かる。
身投げの了見を学ぼうと、身を乗り出してみる。そこで急に下から風が巻き上がり、橋から転落。
隅田川を通る運搬船の甲板に激突し、あえない最期。運搬船には豆腐も積まれていた。
自分の死体を見下ろすどんぐり。
どうしていいかわからないが、とりあえず寄席に向かう。楽屋に入っても誰もあいさつしてくれない。ああ本当に死んじゃった。
楽屋の仲間にはすでに事故の模様は伝わり、リアル豆腐の角に頭をぶつけて死んだ噺家として物笑いのタネ。
嘆いている師匠を眺め、後悔するどんぐり。
彦いち師が、師匠に厳しくしつけられたという話は聴かない。
木久扇師は古典落語の了見など持ち出さないだろうし。
あくまでも噺家の共通認識をベースに組み立てた業界モノらしい。
不覚にも志半ばで死んでしまうのだが、師匠のお使いで毎年出向いていた朝顔市の御利益で助かる。
すべては師匠のおかげ。
彦いち師も、この噺をこしらえてから弟子を採り(そして破門し)いろいろ思うところがあるのでしょう。
楽しい噺で新作の芝居は終了。
続いて夜の部。
前座は主任の弟子、桃月庵ぼんぼりさん。上手い人。
前回と同様、黄金の大黒。なんで前座がこんな噺ばっかり?
二ツ目昇進の披露目だからなんでしょう。
坊っちゃん金槌でぶん殴った回想シーンでサゲるが、その代わり口上がひとシーン多かった。
こんなの聴いたことあったかな。
羽織着て最初の一人がとざいとーざいから始めるのである。
二人目からはよくある口上。
ぼんぼりさん上手いけど、ひと場面多いぶんちょっとだけダレ気味に感じた。話芸は難しい。
二ツ目は兄弟子の桃月庵こはくさん。
このあと登場の新二ツ目、柳家わか馬さんをアピールするのは昼席と同様。
この人はあまり遭遇してなくて三度目。この一門は神田連雀亭に出ない人が多い。
4年前に聴いた「首提灯」の印象があまりよくなかった。町人がイヤなヤツすぎて。
だが、今回の真田小僧はよかった。
間違いなくよかったのだけど、聴いてからすでに8日も経つとうろ覚えなのだった。
この日に限らず、昼夜通した場合は、夜席から先に忘れてくる。
こはくさんに関し覚えてるのは、「誰でも知ってる噺で気を持たせて立派だ」ということ。
夜席の新二ツ目は、柳家わか馬さん。旧名ひろ馬。
小せん師の二番弟子。一番弟子はあお馬。
わか馬は師匠の元の名だ。師匠は鈴々舎だったけど。
ひろ馬時代は二度聴いてる。
最初の印象は実によかったのだが、二度目に鈴本で聴いた際(小町)、「ウケたい病」に掛かってるのではないかとやや心配した。
だが、大丈夫でした。本格古典派として、立派な二ツ目デビュー。
夏の噺で失礼しますと断って、かぼちゃ屋。
柳家の噺である。
骨太に語る噺に、ウケたい病のカケラも感じられない。
腰を切れと言われて台所から刃物を持ってくるなんてくだり、ウケたかったら不自然に強調しそう。そんなのは皆無。
楽しい噺を楽しく語れれば、誰から聴いても楽しい。
半ちゃんの居候のくだりはなし。さすがにそんな長いのはできない。
上見て売る与太郎、本人はぼんやりしてるが周りが幸せになる。
期待大です。
その8までは行かなかった。明日その7でおしまい。
昼席のニックス省略してしまったのに気づいたが、他意はないです。
続きます。