池之端しのぶ亭初席(下・三遊亭円楽「時そば」)

仲入り休憩後は、忙しく働いていたぽん太さんから。

好楽の7番弟子です。前座のときはコウヤという名前でして。師匠の好に、尾上松也さんの也ですね。
二ツ目に昇進するときに、名前どうするか師匠に相談したんですよ。師匠も、「好也ってのは前座っぽいしな。よし変えよう」。
そうしたらぽん太ですよ。どっちが前座っぽいんですかね。
それでも、覚えてもらいやすい名前です。妻の実家に帰ると、3歳の甥が、「ぽん太さん」ってすぐ声を掛けてくれます。家内の名前を聞いたらわからないということで。

本編は、山号寺号。こういうのは市馬師に教わるのかなと思う。
言葉遊びの噺は軽くていいですね。

次が錦笑亭満堂師。着物だけ赤い。
三遊亭唯一の錦笑亭、満堂です。
年末は天満天神繁昌亭に出してもらいました。笑福亭べ瓶という人がいまして、漫才で出てくれということで。
私、漫才コンビ組んでるんですよ。ただ相方がサラリーマンでして。MBSの福島アナなんですけど、社命でニュース読んだりするわけですね。
なのでべ瓶さんに、この日漫才できませんって言いまして。落語やらせてもらえるかなと。
そうしたら、ピン芸やってくれって言われました。

実家帰りましたらね。
うちの母親というのはちょっとファンキーな人で(なんて言ってたか忘れたので意訳)。
親父はまともなんです。
私とむっていうキラキラネームで。妹はナナって言うんですけど。
親父が「ナナがな」。
母親が、「その話はダメだって言ったでしょ! ナナが別居したなんて話!」
聞いてもいないのに、なぜか私が非難されました。
どうなるんですかね。身内の話でも不幸は面白いですね。

私この後両国ですけども、浅草に寄っていきます。浅草公会堂に、私の色紙が飾ってあるんですよ。
本来は歌舞伎役者の色紙なんですけど、役者さんたちと一緒の仕事をした後、なぜか落語家で私だけ飾ってもらえることになりまして。
なんだか役者と間違えられてるみたいです。

あ、告知させてください。
「ウチの師匠がつまらない」が舞台化されました。池袋でやりますのでよかったら。
師匠、本当優しいんですよ。このポスター、しのぶ亭の近所にたくさん貼ってますけど、師匠が1軒1軒ポスティングしてくれたんですよ。
それなのに「つまらない」ってタイトルにしちゃうというね。

さて、マクラをしっかり覚えてるのになんと本編の新作落語、コロっと忘れてしまった。寝てたわけじゃない。
つまらなかったわけではない。つまらないとむしろよく覚える。
楽しんだのに綺麗に忘れた。
なぜかサゲだけ覚えている。エンゲイのWミーニング。あと、満堂師本人が登場人物として出ることも。
まあいい。いずれどこかで巡り合ったらまとめて思い出すものだ。
しかし満堂師は、東京ローカルと大阪ローカルの活動なので、それぞれが噛み合わない気がちょっとする。

色物は見たことのない「おくまん」さん。
野球のユニフォームを着て出てきたので、「リトル清宮」かと思った。リトル清宮は「ジャンふじたに」だから違う人。
お客に「野球好きな人」「私知ってる人」とアンケートを取り、「私のことも知らず野球に興味もない方たちに、地獄の時間を過ごしていただきます」。
内容はマニアックでもなんでもなく、面白かったけど。

トリは、たぶんそうだろうと思った円楽師。
最近定番のマクラ。寝てイビキをかく人と、スマホ鳴らす人(ただし自分がしのぶ亭の楽屋に置いたもの)、そしてオチケンメモ魔。

たくさんお越しくださいましてありがとうございます。なぜか前のほうだけ、うんち漏らしたみたいに空いてますが。
今日のお客さんは、すごくいいですね。仕込んだ笑い屋みたいです。
おかげで出るほうも反応いいですよ。だからパパも満堂も滑ってなかったですね。

本編は時そば。
トリで出せない噺でもないだろうが、トリの時そばは初めて。
正月だから意図的に軽い噺にしているのだろう。いいじゃないですか。

非常にスタンダードである。しかし、それゆえどこにもなさそうな時そば。
最初のそば屋の客の調子よさ、翌日のそば屋の主人のテキトーさが、実にほどがいい。
決してやりすぎないのだ。
前座さんが教わりに行くとよさそうな。

初日のそば屋でそばを食って、「拍手したかったらいいですよ」。
客が慌てて手を叩くと、「五代目の師匠に言われたけどね。拍手強要する芸人にろくなやつはいないって」。
なかなかそばが出てこないので、「なんか手伝おうか」と言ってる地味なクスグリが好き。
客を教育してるので、ぐちゃぐちゃのそばをすする際に拍手が起きる。

来てる子供をいじってた割には、江戸時代の時制の説明はしない。
まあ、わかるだろうし、わかんなくてもいいやってことかな。

ハネたあとは、着替えた好楽師がお客さんをお見送り。
好青年さんが手伝っていた。

楽しい空間でした。

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