笑点オープニングアニメ(古典落語ネタ)をじっくり観た

あかね噺のアニメレビュー(というか、いろいろつつきまわしている)をしているが、これはTVerで観ている。
TVer開いたついでに、そういえば笑点もやってるなと思い出して。
先週半分しか観てなかったので、前半から観なおそうと。

そうしたら、笑点のオープニングアニメが急に気になってきて。
放送と違い、録画のように画面が止められるので。
ちなみにこれで、あかね噺のオープニングも解析したわけだ。
あんまり止めてると、見せられるCMの量がすごいけど。
リワード広告をブログに仕込んでる私は、CMに文句など言わないが。

笑点のオープニングは古典落語を、キャラクターに落とし込んでるわけである。
現在のオープニングもすでに結構な期間使われてるようで、今さら取り上げるのはお詫びしつつ。
よく考えたら別に謝るこたないわな。

盃の殿様

トップバッター三遊亭好楽師が、殿さまに扮している。
殿さまが盃持って、遠くにいるらしい女性(花魁)と乾杯している、
なんの噺だ?
あ、「盃の殿様」だ!
画面は分割されて、下には足の生えた盃が、中身をこぼしそうになりながら懸命に街道を走っている。画面の隅には茶屋(旅で休憩するほうの)が描かれ。
これにまずびっくりしちゃって。

お酒大好きな好楽師だから盃なんだろう。
盃の殿様は、別にお酒の噺じゃないけども、それはいいとしよう。
この噺の殿さまはいささかバカ殿で、それも兼ねているのだろう。
その前にだ。この噺はごくごくマイナー。実に渋いところを突く。
私は過去、柳家小せん師で聴かせてもらっただけ。わがままな殿さまが、UQの満島ひかりに見えてきて面白かった。
割と珍品を持ってる好楽師だが、盃の殿様やらないと思う。

夢金

登場の順序は香盤順。落語界は実に序列がうるさいのだ。
2番目は三遊亭小遊三師。
いきなり、三分割した画面の右下に「夢」と書かれている。
上が屋根船。左下が、股間を押さえた男と、茄子が2個。
これはもう、夢金。
茄子は夢金には出ないが、金玉の象徴である(例:品川心中)。
強欲な熊さんがてめえのキンを握って寝ていたというのがオチ。下ネタ得意の小遊三師にぴったりということなんでしょう。
もっとも小遊三師は、船徳はやるけど夢金はやらないみたい。
私が現場で聴いた夢金は、雲助師であり、雲助師から来てるらしい菊之丞師である。
そもそも品がよくて、キン握らないのだけど。

小言念仏

続いて春風亭昇太師。
司会であっても、香盤は3番目。
隠居が木魚を叩いていて、赤ちゃんがハイハイしてきている。窓の外には、ぼて振りの物売り。
これは小言念仏。
ぼて振りはどじょう屋である。
この、小三治がたっぷりマクラ振ったあと最後形を整える付けるためやっていた噺を、昇太師が掛けることはまず考えられない。

居残り佐平次

林家たい平師は、廓(花魁がしゃなりしゃなりと歩いているからすぐわかる)を走り回っている。
セリフで「いのオオ」と書いてあり、店の名は「稲本」。
これは居残り佐平次。わかりやすい。
いのどんは、確信的居残り(金が払えない)でお店に留め置かれているのだが、勝手に出てきて幇間のごとくお座敷を務めるのである。

鍋墨大根(なのか?)

次がわからない。
立川晴の輔師。大根を抜いている。
大根はもちろん、東農大つながり。
ネット上にはこれは「鍋墨大根」だとある。
鍋墨大根はごくごくマイナーな上方落語だが、そのことはまあ、いいのだ。
「鍋墨」も絵に描かれていないし、なにがなんだか。それもさておき。
最大の疑問は、大根だったら「七度狐」じゃないのかなと。
七戸狐も上方落語だが、「東の旅」の一編だから、大変メジャーな噺。
狐に化かされたサゲが「畑の大根を抜いてました」だからね。こっちのほうがずっと絵になる。
それに鍋墨大根では、大根は抜かないだろう?

蒟蒻問答

続いて春風亭一之輔師。
頭がボウズだから寺なのだ。わかりやすい。
画面は左右に三分割され、左が一之輔和尚、右が旅の僧(問答)。
そして真ん中に、「不許葷酒入山門」。
葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さずと読む。禅寺の文句。
葷酒のくんは、ニンニクやニラなど、香りの強い野菜である。
一之輔和尚はこんにゃくらしき食材を抱えている。
これは蒟蒻問答。
和尚はあかんべー。
最後の画面には、「不許蒟蒻売三文」とあるのが洒落ている。こんにゃく三文で売るを許さず。

愛宕山

桂宮治師は、傘を持って宙を飛んでいる。画面には、小判と、かわらけ投げの的らしきもの。
旦那がかわらけ投げを小判でやった。それが谷底に落ちているから、傘で飛びおりて拾いにいくのだ。
これは愛宕山。

牛ほめ、つる、三軒長屋、動物園、権兵衛狸

最後、牛の尻の穴に「への用心」のお札を貼っている、「牛ほめ」の山田くん。

だが、アニメはまだまだ続く。

まず、松の木に飛んでくる「つる」。
それから、三軒長屋の真ん中に、旦那と妾。左右の長屋が分割されて、入れ替わる。
派手なこの絵は「三軒長屋」。面白い噺だと思うんだけど、現場で聴いたことない。
それから、ライオンとトラ。これは「動物園」でしょう。その証拠に、動物の中から人間が出てくる。
次に、火の玉(おかみさんの霊魂)とキセルを持つ旦那。これは「悋気の火の玉」。
マイナーな噺でもないが、そんなにかかるわけでもない。秋口になれば寄席で聴けるだろう。
最後は満月の富士山で、狸が暴れて権兵衛狸。
富士山は関係ないと思う。富士山が出てくる噺というと、「富士詣り」「半分垢」などあるが。
最後はいろいろ出てくる。トラにライオン、扇子に大根、鶴にサイコロ(看板のピンなど)、おむすび。
馬に乗った猿はなんだろう。馬の田楽かな? 猿は出ないけど。
野球のバットとボール。バラはなに?
一番わからないのは、「世界文学全集 Xバッテン」。

というわけで、改めて確認すると非常に手の込んだオープニングであります。

コメントする

失礼のないコメントでメールアドレスが本物なら承認しています。