喬太郎師はそれほど廓噺は持っていない。大ネタ以外では
は、錦の袈裟とこの、首ったけか。
なんでこんな珍しいのを拠ってやるのでしょうか。
今回首ったけを聴きながら、喬太郎師「徳ちゃん」やらないかなと思った。さん喬師が持ってる、大ネタでない廓噺。
首ったけの世界のめちゃくちゃな感じから、徳ちゃんやったらすごく面白そうなんて連想が働いたのですが。
首ったけというのは、ほんとに単純な噺で。
これだけ。
- 女が来ない(団体さんにつきっきり)
- 頭にきて帰る
- 斜め向かいの店で世話になり、そっちに入りびたり
- 火事があったので吉原に急ぐ
- おはぐろどぶに、出てった店の花魁(紅梅)が溺れてる
こんなシンプルな噺を楽しく聴かせるのがテーマ。
どうするかというと、登場人物がみなテキトーな人。これでなんとかする。
主人公は勝っつぁんで、居残り佐平次のヨイショに弱い男と同じ名前。
勝っつぁん、女が来ないし、腹立つことに声だけ聴こえる。怒ったら野暮だしな。
なにかしようか。仕方ないので「ぐんぐんぐんぐん」。
言いながら手をまわしていたが、ぐんまさんはそんなポーズは付けてない。
勝っつぁん、花魁を独占したいなんてのではない。ちょっと来てくれたっていいじゃねえか。
若い衆に言っても、本音は団体のほうが大事なのでまともに相手してくれない。
花魁も顔を出したが、部屋にとどまるほど暇じゃない。
頭に来て出てしまう。もう大引けになる頃だが、斜め向かいの店はまだ入れるらしい。
試しに顔を出してみると、勝っつぁんこっちでも有名人。
しかも、勝っつぁんに岡惚れしてるかすみさんが空いてるというではないか。
かすみさんの喜びようが、仲入り後の「夫婦に乾杯」の奥さんと似てた。こんなのはツいてるとは言わないけど、でもたぶんアレッて思ったとは思う。
廓において、店を替えるのはご法度。
だが、もう前の店には行かないということで、受け入れてくれる。
かすみさんが、ほんとに喜んでるんだとは思わないけど。
よく考えたら、「徳ちゃん」を連想した理由もわかってきた。どちらも、廓における災難を楽しむ噺なのである。
3年前に聴いたときには、勝っつぁんとかすみさんがようやく結ばれたと抱き合ってる場面はなかったと思う。
いずれにしても、地に足のつかない登場人物がピークを迎えたときに、演者が「バカばっかりですな」。
ほんとに軽い。
マクラが長すぎたのでこの噺に切り替えたんじゃないかと思う。
仲入り休憩時は、せっせと初日の記事をスマホで書いてました。
なので、終演後25分で仕上げられるのである。
下の階のトイレに言ったら、「東大卒エリート落語家」として物議をかもした「参遊亭遊助」の会のポスターがあった。
このホール借りて公演すると、プロになったことになるのかね。
1,000円でした。
仲入り後、再度喬太郎師。
ご存じの方も多いかと思います。私はかつて書店に勤めてました。
今ではすっかり数が減ってしまいましたが、福家書店です。その後倒産したとかしなかったとか。
…したとかしなかったとかはないですね。
銀座店に勤めてました。
菊名から日比谷線で座っていけます。ただ、朝が遅くなってそうもいかない日もあります。
電車に乗ると、心当たりがみなさんおありと思いますが、痴漢に間違われるのが嫌で。心当たりって、痴漢の心当たりじゃないですよ、間違われかねないってことです。
なのでこんな、なんとか手を出そうとしたりしまして。
現在は、満員電車に乗らなくて済むのは本当に嬉しいです。いえ、毎日満員電車だよって方もいらっしゃるとは思いますが。
それでも、たまに学校寄席や旅の仕事で、ラッシュ時に乗らないといけません。
スーツケース引いて満員電車に乗るんですが、嫌な顔されます。
なんだ遊びかよ、みたいな。仕事ですけど。
あ、そういえばね。今、仕事なんですよ。なんだかくつろいでるようですが。
コンピューターも全然使えないままサラリーマンを辞めました。辞めてなかったら、Excelとか使ってるんですかね。
私が唯一使える文明の利器はファクシミリです。
サラリーマンを振って、夫婦に乾杯。
これは昨年初めて聴いた。春風亭昇太作。
短い時間でしっかり盛り上がる新作落語。
この噺もまた、進化していた。
ワンカップの日本酒のネーミング会議である。ちっとも旨くない酒だが、おつまみがついているのが唯一の特長。
おつまみがついてるんだから、亭主が奥さんの手を煩わせずに一杯やれる。そんな趣旨からアイディアを出す社員が袋叩き。
「君は妻と会話をするのか!」
「え、しないんですか!」
「当たり前だろ!」
妻に「おい」と呼び掛けて「おい」と返ってくるなどましなほう。
超ベテラン夫婦は、擬音で会話している。
えー、うちおかしいのかな。帰ってみると妻が迎えてくれる。
「お帰りなさい。お風呂にするご飯にする? それともあたし?」
お風呂にするというと、妻も一緒に入るという。それを断って。
「うち、おかしいのかもしれない」
この噺もどんどん動かしているみたい。
妻が、釈台の上に頬杖ついてブリッコするのが最高。
頬杖のあと、手首を返して、またブリッコ。喬太郎師がやってるのに、かわいい。
夫婦喧嘩をしてみようと夫は吹っ掛けてみるのだが、流れが結構自然になっていた気がする。
なにか粗探ししようと思って、「君は歯ぎしりもするし、いびきもかくね」。
すると妻は、そんなことないよと昔の男の名前を二人挙げる。さすがに本気で頭にくる。
「この尻軽!」
「尻軽なんてひどい! まだヤ○マ○のほうがいい!」
翌日の会議で妻と喧嘩したと報告する。
このサゲが、なんだかしみじみ昇太師っぽいなと今回思った。
結構、結末で平気で人を死なせちゃったりする昇太師なのに不思議な感想だけど、思ったものは仕方ない。
今日は5席、すべて既聴の噺でした。そりゃまあ、聴いてない噺が聴きたいがそうもいかない。
トリの扇辰師、「藁人形」ももちろんよかったのだが、さすがにこの緊迫した(しかしサゲのしょうもない)噺、三度目になるともう、1日掛けて書く内容がみつかりません。
過去記事のリンク張っておきます。
楽しい会だったのは間違いありません。
初日の記事を書き上げ、大野屋で買い物して(高級スーパーだったのでやや戸惑ったが)、多摩川の向こうへ帰りました。
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