連休はわりと真面目に仕事してたし、どこかに行きたい。
以前から気になっていた、ささはた寄席へ。
会場は笹塚駅から徒歩圏内の笹塚区民会館。
堀之内寄席とか、上原寄席とか、あるいは中央線沿線などに出かける私、同じテンションで笹塚に行ったっていい。
笹塚なんて街、来たことあったかな。
駅前はキレイだ。甲州街道で街が分断されているのだけはどうしようもないが。
ささはた寄席はふた月に1度、ご近所に住む固定メンバーの3人の落語会。
ささはたのささは笹塚であり、はたは幡ヶ谷。
幡ヶ谷在住の駒治師からは、しばしば地元ネタを聴く。
神田菫花先生はなじみ薄い講談協会だし、初めて。
真打の決まった古今亭始さんも、なんと6年ぶりである。
駒治師も、いつも聴きたいと思ってはいるがすぐ間が空く。
今月行きたい会があるのだが、体が二つ必要。
集会場にパイプ椅子がちょっとだけ並べられている。
ギリギリつ離れしない。連休明けの平日なんて、こんなもんでしょう。
演者3人は、特に仕切りを設けるでもなく、高座の向かいにたむろしている。
| ニ階ぞめき | 始 |
| 盥の登城 | 菫花 |
| ロック・ウィズ・ユー | 駒治 |
順番はいつもこの通りらしい。
たぶん、始さんが昇進したら駒治師が最初に出ることもあるのだろう。
ロック・ウィズ・ユーはコロナ禍に、日本橋亭で聴いた噺。
さて久々の始さん。
さすがに久々過ぎて、私の記憶と芸風が変わっている。勘違いかもしれないが。
テンション高い。
連休明けの水曜日にこれだけ集まっていただきましてありがとうございます…後ろ向かなくていいんですよ。
連休はいかがお過ごしでしたか。私も全部仕事じゃないのでフェスやスポーツ観戦をしました。
仕事は、上尾で「串ぎょうざ」のイベントに出ました。串ぎょうざ、ご存知ないですよね。
町おこしで作ったものですよ。
最初はぎょうざに限定していたそうですが、参加店が少ないので串ぎょうざの範囲を広げまして、今や肉、魚、甘味とかなんでもかんでも串に刺さっています。
串ぎょうざも続々売切れる中、屋外で1席披露する始さん。
いろんなところへ行きますとのことで、岩手県の海沿いで、復興イベントに呼ばれたこともある。
地元のバンドが続く中、トリが始さん、ヒザがピカチュウ。着ぐるみがやってきて、子供たちと記念撮影。
雨が振ってきて、水厳禁のピカチュウは屋内へ。たくさんいた子供たちがいなくなってしまう。
「冷やかし千人、客百人、間夫が十人、いろ一人」とくれば、二階ぞめき。
演技過剰なぐらいやり込む人だ。このスタイルも記憶にない。
私の印象だが、過剰な演技に走る人は、おおむね外す。
外しまくって、徐々に穏やかな高座に変わっていって、ウケるようになる。棒読みになる人もいる。
始さんは、このスタイルでぎりぎり外してないから偉いもんだ。
あくまで好みの話だが、個人的にはもう少しあっさりしてるのが好き。
ただこのまま菊之丞師まで行くと、大出世するのだろうが。
流れるようなうたい調子が加わると、そうなるんですかね？
二階に吉原作ってもらった若旦那、さっそくひやかしに出掛ける。
若旦那がひやかしていると、客引きに袖を引かれる。しばらくやりあったあとで、若旦那素に戻り「忙しいな」。
最大のウケどころなのだが、客はシーン。いきなり登場人物（どちらも若旦那だが）が増えたので、わかりにくかったみたいだ。
落語って難しいね。過剰演技だからこそ、いきなり若旦那が1人2役を始め、それが通常のシーンと区別付かないのが楽しいのに。
遣手ババアなどは出ず、花魁と若旦那の喧嘩に仲裁が入り、この男と若旦那が喧嘩を繰り広げるという展開。
二階ぞめきは珍品までは行かないけども、あまり数聴いてないからスタンダードな型がわからない。
架空の喧嘩に夢中になる若旦那、そしてフッとシーンが変わり、下で大旦那がなにしてるんだあのバカ、につながる展開はとても楽しい。
芝居じゃできないものね。
始さんは「繰り返しのギャグ」が好きみたい。
若旦那も小僧の定吉も、二階にしつらえられた柳の木に感動している。
そして架空の花魁は、上がらない若旦那に「この銭なし野郎」と3度ぐらい発する。
演技の濃さについての好き嫌いはあるが、でも楽しい一席だった。
二階ぞめきはオタクの噺であって、まさに今二ツ目さんが仕入れるべきでしょう。
そういえば大吉原展（藝大美術館）、調べたら5月19日までだ。行かなきゃ。
