ひっそり当日出しの記事をひとつ挟んだが、今日が披露目の連載の最後。
昔々亭慎太郎師の高座は確か初めて。
しかしもう眠くて眠くて。半分寝てしまった。
ヨネスケ師の長嶋茂雄漫談をリスペクトして生まれたものだろうか、長嶋一茂漫談。
ネタ帳にもたぶん、長嶋一茂って書かれてると思う。
ヒザは鏡味正二郎先生。続けて寝てしまった。
この人のときの睡眠率が、以前から私は異常に高くて。
ごめんなさい。なんら含むところはございません。
もっとも拍手が大きいので、ちょいちょい目が覚める。
ぽわぽわした頭でのところ、新真打昔昔亭喜太郎師。
さすがにもう寝ない。
ところでたぶん、世の中には「高座の最中に寝る」行為自体を馬鹿にしてる人っているよね。
全然寝ないんだとしても、そりゃただの体質だからな。
登場して、「ニャンコちゃんです」。
なんのドラマだったか。ヒロインを「子猫ちゃん」と呼ぶドラマに奥さんが憧れ、大学時代からニャンコちゃんなんだって。
でも呼ばれるほうか! と喜太郎師。
神田連雀亭で今年初めて聴いたマクラを。
桃太郎師に入門して寄席に入ったのに、3日でクビになったという。
この人の高座はたびたび聴いてきたが、そんな過去などまったく知らなかった。
真打になり、そして師匠が鬼籍に入ったので解禁したノンフィクションなんだろう。
クビになった理由は、いまだによくわからないらしい。
ただ師匠との食事の際に気を遣いすぎて、キョロキョロしすぎて。
おかみさんに「喜太郎はあたしをおかずにご飯を食べてる」と言われたからではないかと。
事実を振り返ると、当時A太郎アニさんが前座でいたので、二人はいらなかったんじゃないかと。
師匠から喫茶店に呼び出され、一門勢揃いの黒紋付の写真を見せられる。
このとおり、落語界なんてのはヤクザな商売なんだ。お前みたいになよなよしたのはここじゃやってけない。
だから立川流でも行ったらどうだ。
もっとヤクザじゃないですか!
しかし諦めきれずに5年後、再び寄席で出待ちして志願する。
あまり出待ちで再入門とは聞かない。
仕事をやめて、結婚して、しかし入門したい。
師匠が「それは男らしい!」と許してくれた。なんのこっちゃ。
クビになってなかったら、ぼくはちょうど成金メンバーでしたとのこと。
師匠にクビになって得たものは、この漫談か…
真打になって、本当にブレイクして欲しい人だ。
まったくの想像だが、最初の入門時は恐らくストーリーにならないのではないだろうか。
みなが語る入門のいきさつは、喜太郎師の場合、再入門時以外にはないのではないか。
披露目の際は、楽屋にお酒が出たりして賑やかです。
いつも飲んでるわけじゃない師匠も、勧められると高座後にビール飲んだりしまして。
ただ、うちの師匠は飲みませんから。お酒が並んでるといい顔しないんです。
あるとき怒りまして。片付けろと。
飲まない人にも食べられるもんを出せと。
弟子一同が相談していろいろ買ってきましたが、師匠はお酒のつまみじゃ気に入らないんですね。
そこに空気の読めない芝楽アニさんがやってきまして。
師匠、お土産です。
これがね、くさやですよ。よりによってね。
もろにお酒のつまみですし、楽屋じゃ臭いですし。
ところが師匠、「でかした。こういうのを並べろ」。
新作かと思ったら、今日は古典であった。
まあ、新作派にしては古典も多い人だと思う。
お菊の皿。芸協だから、上方落語と同様、ネタ帳に書かれる演題は皿屋敷かな。
初めて聴くが、とぼけてて面白い。
江戸っ子なのに皿屋敷を知らないと笑われたのは、上方で船に乗ったときらしい。兵庫船のシーンみたいなものか。
隠居に皿屋敷を教わるシーンも、みんなで見にいくシーンも実に軽い。
お菊さんの言い交わした「三平」については一言、「噺家じゃありません」だけ。
喜太郎師は、笑点特大号で三平師との絡みはあっただろうか?
お菊さんの幽霊が出るシーンで、太鼓が入った。思わずびっくりした。
「びっくりしたよー、急に太鼓鳴るんだもん」
楽屋が、披露目の演者に気を遣って勝手に入れるなんてことがあるのかな? そんなはずはなかろうが。
お菊さんをやる喜太郎師、結構面白い。
お菊の皿で一番気になるのが、「おいおい、そんな興行、皿6枚で逃げられるはずないだろ」というもの。
お客がびっしり入ったというのを詳しく説明しちゃうと、そうなる。
まあ、それでもいいやと思えばいいんだろうけど。
この点喜太郎師、軽く軽く来てるので、まるで気にならない。
客はだいたい噺は知ってるわけだ。何度も繰り返して聴く噺は、つっかからないのがいちばん。
というわけで、白熱の芸協池袋、真打披露興行でありました。
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