10月11日以来の現場である。空いたことに大きな理由はない。
メンバーを見て1年振りの鶴めい七叶亭へ。
1時間半で2,500円なので、2時間2,000円の横浜にぎわい寄席を抜き、関東一高い寄席だと思う。
それでも好きな人が3人揃えば来ます。
この寄席は長講だし、落語会と考えたほうが実態に近い気がする。そう考えると値段も普通。
今日は芸協の小助六、夢丸師と、落語協会の柳枝師である。
ギリギリつ離れしてなかった。
これが、同じメンバーで梶原いろは亭だったら、満席近いのではないかと思う。
内容は非常によかったのだが、ただ、あんまり笑わないお客。
ひとりで笑ってると浮いてしまう。
トリの柳枝師は、だから笑いのなくてもいい(結構面白いけど)文違いかも。
| つる | き太 |
| 近日息子 | 夢丸 |
| 禁酒番屋 | 小助六 |
| (仲入り) | |
| 文違い | 柳枝 |
前座は1年前と同じ、玉川き太さん。
浪曲師であることを自己紹介し、落語で勉強させていただきますと挨拶。
当時はつっかえてたが、1年も経てばそんなことはない。
しっかり「つる」を語る。
ウケを狙ったりしないのは好感。
ちなみに忘れてたけども、1年半前の池袋で「つる」聴いてた。その際もセリフが出てこなかったのだ。
二度聴いて、二度つっかえていて、でも将来性がありそうと思ったのである。答え合わせができてきた。
冒頭、隠居と八っつぁんのやりとり(通じがつかねえから粗茶、羊羹、泥棒まで)なかなかいい感じ。
さらにクスグリが少ないと、個人的にはなおいい。でも、ムダ打ちしないのは偉い。
まだまだ面白くなると思います。面白そうなセリフを簡略化していくのと反比例して。
つるの王道かも。
なぜ八っつぁん間違えちゃうのか。
最初に「つるーと飛んできて」をやっちゃったあと隠居のうちに戻ってくる。
隠居は「どこかでやってきたのかい。ダメじゃないかあれは冗談なんだから」と返しつつしっかりもう一度教えてくれる。
でも八っつぁん、「つーと飛んできて」だけ聞いて駆け出しちゃう。だから、「ると止まった」になっちゃう。
ここしっかり丁寧。
前座として落語やってるのが実に楽しそうなのもいい。
浪曲も楽しみだ。
1年前と同じく、き太さんの後は三笑亭夢丸師。
それ以来だ。もっと聴きたい人。なんとなく、次もここで聴きそうな予感。あるいは梶原か。
上ずりながらの喋りがたまらない。
秋らしくなってきましたねと。でも昨日は30度ですか。
秋といいますとね、我々にとっては学校寄席なんです。明日も行くんです。
先日行った際、体育館に生徒がいないんです。なんでもインフルエンザが流行っていて、先生がビデオ回して生徒は教室で観るらしいです。
なら教室でいいじゃないですか。また体育館反響がよくて。
無人の体育館で、我々やりました。
明日はそこで、生徒の小噺発表会を聴きます。
こういうのは珍しいほうですね。普通はその場でさっとそばの食べ分けとか実演してもらいます。
先日そばの食べ分けを教えたら、その子が首を振ります。やろうよ、って言ってもダメで。「そばアレルギーです」。
仕方ないのでうどんに替えました。
先日茗荷谷の、名前は出しませんけど非常に有名な女子校に行きまして。
女子高生と女子小学生に聴いてもらいました。いいところのおっとりした子が多いです。
やはり小噺をやってもらいました。
有名な小噺ありますでしょ。ネズミを捕まえて、大きい? 小さい? 中でネズミがチュウ。
そしたら、こう、ネズミをつかまないんですよ。なんで? って訊いたら、ネズミは不衛生なので触らないほうがいいと思います。
オチは忘れた。
とにかく、言われたとおりやっちゃう人もいるものですと、近日息子へ。
初めて聴くスタイル。
おとっつぁん(長屋の大家)の、息子に対する説教が長い。おとっつぁんもそんなにキツいこと言いたいわけじゃないのだが、この息子がなにしろ悪気なくして余計なことを言うので、最後にはむかっ腹が立つのである。
聴きながらこれはどうやら、何でも逆らう男のくだりはなさそうだなと思う。実際なかった。
ただ、悔やみが長いので物足りなさはまるでない。
現代では、やたらと腹を立てまくる噺は客に拒否反応も生まれるが、このおとっつぁん、怒りのスイッチが入るにあたり実にムダがない。
息子見てると、そりゃ親父も怒るわなと。
おとっつぁんがはばかりに行くというと、「よかったね、今空いてるよ」。2人家族なのに。
紙を寄こせと言われると、便箋、折り紙、ボール紙などを次々持ってくる。
親父は多少ノリツッコミ気味に、はばかりで手紙書くのかい、鶴折るのかい、ボール紙で拭いたら痛いよ、それともこの上に載せるのかいと。そんなこと言ってるうちに怒りに火が付くのである。
この間、ずっと夢丸師の、上ずり気味のテンポいいセリフが続く。
息子が急に気を利かせ始めて、医者の錆田先生を呼んでくる。おとっつぁんの調子が変わったんだと。
錆田先生が首をひねる(どこも悪くないので)のを見て、今度は葬儀屋へ。
息子は早桶を担いで帰ってくる。この所作が、他に「引越しの夢」でしか見ないものだった。
ここから町内で相談して、悔やみにいくことになる。
息子が手回しよく、花と鯨幕、坊主まで手配しているのである。そりゃ信用する。
悔やみ得意な男がフッと顔を上げたら親父がいて、こちらを睨んでる絵はたまらなくおかしい。
マクラ含め25分の高座。
近日息子、長くても寄席のトリ向きじゃないし、こういう席がピッタリみたい。
実に楽しいひとときでした。