「桃組」に出なかった人や、芸協版「風組」を考えたりする

笑点はおおむね特大号で観ているのだが、水曜日の特大号は2時間スペシャルだったのに前半録画し損ねた。
観られた後半に、先日の3月浅草上席（夜）の「桃組」が取り上げられていた。
史上初の、女性だけで組んだという、画期的な寄席の番組。ボスは蝶花楼桃花師。
ちなみにその後テレビで流れた「イケメン大喜利」はクソつまらなかった。つまらなすぎてある種面白かった。
「美女大喜利」はできなくても、「イケメン大喜利」ができる令和の不思議。文句じゃないですよ。

落語協会も、女性だけで大変な人数がいるものであるなと改めて感じた次第。色物も含め。
再度桃組の香盤を見ると、交互出演の二ツ目の多いこと。
交互とは、数が余るからこうなっているわけで。
なお顔付けされていた講談の一龍斎貞寿、一龍斎貞鏡のお二人は、落語協会員ではない。講談協会。
ゲストということになるが、講談協会の講談師が落語協会の寄席に出ることは、たまにはある。
神田茜先生は、落語協会員である。ちなみに落語協会と日本講談協会のW所属なのは、この人だけ。

落語協会の女性会員はおおむね顔付けされていた。
林家きく姫師まで。この人は、師匠・木久扇の芝居のときにはずっと付いているそうだが、高座には上がっていないのに。
ただし、ごく少数出ていない人がいる。
定吉調べでは、次のとおり。
夫婦で出てる人は抜いた。もっとも、翁家小花さんはピンで出てたようだ。

• 林家ぼたん
• 金原亭杏寿
• 柳貴家小雪
• 東京ガールズ
• 柳家小春
• 花島世津子

出てない色物さんは、そもそも寄席に顔付けされていない人が多いか。
ちなみに、マジックの世津子先生、落語協会に復帰していたというのを今回初めて知った。
香盤（寄席のではなく、協会の）は、リセットされて一番下になっている。

笑点アシスタントでよく画面に見切れてるぼたん師、出ていない。なんででしょう。
それから金原亭杏寿さんについては、一応出ない理由はある。
同じ3月上席の鈴本昼で、二ツ目の披露興行だったのだ。披露興行といっても、口上があるわけではなく、やや深いところに10日間上げてもらうもの。
しかし「華やかな芝居にはあえて出さない」という、ご本人の師匠の意思を勝手に感じてしまうのだが、気のせいであろうか。
披露目で昼席に出ていても、交互で2〜3日、浅草の夜に入ることはできるはず。

華やかな興行の裏を見てしまうのは悪いクセですね。
ちなみに、芸協で同じことはできるだろうか？
芸協の女性真打は、悪いがあまりパッとしない。

桂右團治、橘ノ杏奈、三遊亭藍馬。
あれ、香盤を追っていくと、春風亭鹿の子師がいない。
今年になってひっそり廃業してるじゃないか。知らなかったな。
先月、日本橋亭で雷門小助六師が、瀧川鯉橋師のメクリを探したところ、辞めた二人に挟まれていたと語っていた。
ひとりは三遊亭遊里さんだろうが、もうひとりは鹿の子師だったのだろう。
ちなみに、杏奈師もずっと出てないはず。藍馬師は、師匠圓馬の芝居で名前は見る。
右團治師は4月国立中席（小遊三師の芝居）でクイツキを務めるから、私も聴くと思う。

芸協では女性がパッとしないのかというとそういうことではなくて、みな講談のほうなのだった。
女性講談師が14人もいる（前座含む）。
色物も結構多い。

芸協で同じ企画をやるとしたら、噺家で中心になる人がいないわけではない。
春雨や風子さんである。すなわち風組。名前は変わるかもしれないが。
だが、師匠に真打にしてもらえない。気の毒なことである。
風子さんの下は三遊亭遊かりさんがいて、そのあとしばらく女性が空き、突然増えてくる。
すなわち。

• 三遊亭遊七
• 三遊亭あら馬
• 桂しん華
• 三遊亭美よし

前座もいる。

• 桂南海
• 立川幸路
• 笑福亭ちづ光

意外と賑やかだ。
風子さんが真打になったら、すぐできそうに思うけど。
立川流から、立川こはる改め小春志師も呼べるし。

春雨や雷蔵師が頑固だったら、誰かが引き取って真打にするしかないのでは。
もうそんなこと考えている人がいるかもしれないが。