お白洲ものの落語がある。 「大工調べ」「帯久」「三方一両損」「佐々木政談」「鹿政談」など。変わったところでは、もっぱら入船亭扇辰師が手掛けている「さじ加減」などという噺がある。 本来、お奉行さまがいちいち訴訟を指揮するわ… 続きを読む 「大工調べ」の訴訟論
カテゴリー: 落語の演目
転宅
橘家文蔵襲名披露、初日の演目は、十八番の「転宅」でした。 泥棒の噺は、お客の懐を取り込む縁起担ぎでめでたいとされている。そういう意味では、先の演者が泥棒ものを出してもいいわけだが、文蔵師に気を遣ってやらなかったのだろう。… 続きを読む 転宅
てんてこてん
なにか古典落語の演目を取り上げて、つついてみたいと思います。 もう昨年末の放送(さん喬一門会)になるが、「柳家喬太郎のようこそ芸賓館」で流れた、柳亭左龍師の「棒鱈」がとてもよく、このところ続けて聴いている。今回はこれを。… 続きを読む てんてこてん
二番煎じ
このところ、「日常の世界で通常の登場人物が活躍する落語」を選んで聴いている。 古典落語でも新作落語でも、日常からの飛躍の少ない噺は残りにくいという仮説を立てている。既存の演目につき、「残っている理由」「こうすれば残せる」… 続きを読む 二番煎じ
うぞうむぞう
汲みたて/掛取萬歳 このところ、「日常の世界で通常の登場人物が活躍する噺」について考えている。 「世界・登場人物のいずれかに、日常からの飛躍がない噺は、後世に残りにくい」という仮説にのっとり、それにも関わらず残っている噺… 続きを読む うぞうむぞう
ダシカン
ここしばらく、落語の成り立ち、発想というものについて考え続けている。そして新作落語はどう作ればよいのか。 落語をやたら分類して悦に入るのも野暮ではあり、このことは心に留めておきたい。 桂枝雀師が「サゲの分類」というものを… 続きを読む ダシカン
柳家小ゑん「下町せんべい」
柳家小ゑん千一夜Vol.3 価格:2094円(税込、送料別) (2020/11/3時点) BS11「柳家喬太郎のイレブン寄席」で、2回に渡って新作落語特集をやっていた。 そのひとつ、柳家小ゑん師匠の「下町せ… 続きを読む 柳家小ゑん「下町せんべい」
夢の酒
先日息子を池袋デビューさせた際の話を引っ張ります。決してネタ切れではなく、それだけこの日の池袋が充実していたのです。柳亭左龍師匠が、「夢の酒」を出していた。噺としては珍しいほうの部類だろう。夢ネタには「天狗裁き」があって… 続きを読む 夢の酒
うんでば
うんでば。落語にそんな演目はありません。本当は泥棒噺の「締め込み」。でもこの噺のタイトル、「うんでば」だったらいいのにと思っている。 寄席でたまに聴く噺。留守宅を物色中の泥棒。亭主八五郎が帰ってきたので慌てて隠れるが、そ… 続きを読む うんでば
一目上がり
NHKで朝やってる「演芸図鑑」。録画を見てみたら柳亭小痴楽が出ている。二ツ目さんが出るのは珍しいが、芸協期待のホープではあります。 この番組、世間で軽く見られることが多いと思うのだ。噺家さんからも、ネタ扱いされている気が… 続きを読む 一目上がり